2007~2009年度プロジェクト
研究成果
シンポジウム「地域から考える横浜開港」
2009年は安政6年(1859)の横浜開港から数えて150年目にあたりました。横浜市では「開国博Y150」をはじめとした各種の記念行事が行われ、とくに横浜開港資料館や横浜市歴史博物館、神奈川県立歴史博物館などでは、横浜開港の意味そのものを問い直すような企画が行われました。横浜開港が、日本史上、大きな転換点を示す出来事であったことは言うまでもありませんが、その周辺地域にもたらされた政治的・社会的・経済的変動や文化的影響もまた甚大でした。
東海大学の日本史専攻は、2001年から「地域の歴史を掘り起こす」と題する講演会を毎年開催し、2005年には「地域史方法論」や「地域史演習」などの科目を設けるなど、地域史に焦点をあてた活動を行ってきました。横浜開港150周年を迎える2009年10月24日(土)に、こうした活動の一環として、横浜開港資料館・横浜市歴史博物館との共催で、シンポジウム「地域から考える横浜開港」を東海大学湘南キャンパスの松前記念館講堂で開催しました。
当日は、232名にのぼる多くの参加者が集まり、基調講演者では、お茶の水女子大学名誉教授の大口勇次郎先生が「庶民の日記から見たペリー来航・横浜開港」という講演テーマにて興味深いお話をしていただきました。そのあとのシンポジウムでは、横浜開港資料館の西川武臣氏や箱根町教育委員会の鈴木康弘氏、平塚市博物館の早田旅人氏、横須賀市総務部市史編さん室の神谷大介氏をパネリストとして迎え、コーディネーターを馬場が担当して、活発な議論がおこなわれました。
参加者からは、おおむね好評をいただきました。
*参考資料・開港期の相武地域史研究会『横浜開港150周年記念シンポジウム 地域から考える横浜開港 報告書』(東海大学文学部歴史学科日本史専攻刊行、2010年)