2013~2015年度プロジェクト
概要
プロジェクト名
東海大学の創立と発展に関する基礎的研究
メンバー
- 【プロジェクトリーダー・総括】
馬場 弘臣(教育研究所・教授) - 【教育史担当】
沓澤 宣賢(総合教育センター・教授) - 【創立史担当】
山本 和重(文学部歴史学科日本史専攻・教授) - 【事務全般・成果の集約】
渡辺 律子(教育研究所・副主事) - 【資料調査・整理】
椿田 卓士(学園史資料センター・学園史編纂員) - 【資料調査・整理】
神谷 大介(文学部歴史学科日本史専攻・非常勤講師)
研究内容・研究目的
東海大学は、2017年に建学75周年を迎える。また、本年は湘南キャンパス50周年にあたるなど、学園全体が一つの大きな節目を迎えようとしている。それは学園が新たな時代に向かって歩を進めていることの証左であり、学園全体の未来像を考えていく上で、学園の来し方、すなわちその歴史を実証的に検証し、科学的に研究することは自校史教育の観点からも極めて重要な課題であると思われる。そこで本研究では、①1942年の学園創立から1963年の湘南キャンパス開設までの創立期に関する基礎的研究。②教育工学の導入、最新鋭教育機器の使用実験、FD、授業評価など、教育研究所の活動を中心とした東海大学の教育に関する基礎的研究。③大学と地域をテーマに、とくに湘南キャンパスと地域との関係を歴史からひもといていく研究の3つを柱として、東海大学史に関する基礎研究の深化をめざす。これらの研究成果については、学術論文等の学問的成果としてだけではなく、展示会やシンポジウム、HPなどを通じて、学生や教職員、地域などへも広く還元していくことを目的とする。
学術的意義
近年は、各大学で自校史に関する教育が盛んである。これは学生や教職員に対して、自校の歴史を理解してもらうことで、自らがそこで学ぶことの意義や働くことの意味について認識してもらうこと(University Identity)を一つの重要な要素とする。また、その一方で、学校が立地する地域の住民や広く社会一般に対して理解してもらう努力や活動も必要である。こうした自校史に関する研究は何より、正確で立証可能な資料や記録に基づき、科学的に研究されなければならない。また、それぞれの時代背景を明らかにすることや、他校との比較検討も今後重要な課題となるであろう。本研究は、このような方針により、自校史、大学史、学園史と呼ばれる分野における研究をさらに一段階高めていこうとするもので、対内的にはもちろんのこと、対外的にもこうした研究の模範となるような研究成果や方法論の提示を目指すものである。また、この方法論には、実践的意義として研究成果を学生や教職員、地域、一般社会へと広く還元していく方法の検討という課題も含んでいる。
プロセス
本研究は、第1に学園史資料センターの協力を仰ぎながら、教育研究所との共同作業として進めていく。とくに①創立期に関する基礎的研究、②東海大学の教育に関する基礎的研究については、それぞれの研究成果を総合化しながら進めていく。第2に、これらを具体的進める研究母体として、教職員が中心となった個別プロジェクト研究のメンバーの他に、学園史資料センターの学園史編纂員や大学院生などを中心としたワーキンググループをつくって進めていく。これらの協業作業を通じて、一方で学園史に関する展示会やシンポジウムなどを企画しながら、他方で学園史に関する学術論文を投稿するなど、研究の成果を多面的に提示できるようにする。第3に、③の大学と地域との関係については、内容に応じて、平塚市博物館や大磯町立郷土史料館など、近隣の博物館・資料館や自治体などの協力を仰ぎながら進めていく。
成果予定
- 『東海大学資料叢書』の刊行(監修、学園史資料センターとの共同作業)―毎年1巻
- 学術論文—東海大学の創立期に関する問題、東海大学の教育改革に関する問題など
- 展示会—湘南キャンパス開設50周年記念展示会(2013年)、建学祭60年記念展示会(2014年)、「東海大学」誕生70周年記念展示会(2016年)など
- シンポジウム—「地域と結ぶ東海大学 ―湘南キャンパスと相模平野―(仮称)」など
- 個別プロジェクト研究用サイト「情報史料学研究所」(http://www.ihmlab.net)における研究情報の発信
業績
- 『東海大学資料叢書3 財団法人国防理工学園関係認可申請書』(学園史資料センター 2013年3月 共同・監修者)