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クラファイト②緒形拳さんのスクラップブック

前回のクラファイトで、緒形拳さんが9回、NHK大河ドラマに出演され、そのうち、「太閤記」と「峠の群像」で主演されたと書きました。緒形さんが遺された資料の内、スクラップブックは、そんな緒形さんの芸能活動を知るのに格好の資料です。そもそもスクラップブックを作成するという習慣は、恩師の北條秀司先生から見習ったものなのでしょう。北條先生は、1回の舞台が終わるごとにチラシや写真などはもとより、脚本を書き上げる過程のメモ、参考資料のコピー、そして手紙やハガキなど関係する資料をスクラップブックに貼って整理されていました。今はこのほとんどは松竹の大谷図書館に寄贈されています。

これに対して緒形さんのスクラップブックは、業者に頼んで新聞や雑誌などから関係する記事をピックアップして、文字通りスクラップされたものです。業者がやりますので、その記事が載った日時や出典などもしっかりと書いてあります。

緒形拳さんのスクラップブック

こちらはその一部です。基本的には緒形さんがNHK大河ドラマで「太閤記」に主演された1965(昭和40)年から亡くなる2008(平成20)年までのスクラップがあります。業者に依頼していますから、写真のようなしっかりしたフォルダーに挟み込まれているのですが、中にはファイリングされていないのもあって、写真のようにそれらは新しくフォルダーを購入してまとめているところです。ですからまだ作業自体も終わってはいません。これは来週の月曜日(17日)から始まる「史料管理学演習」の授業で整理していきたいと思います。授業では実習の一部になりますから、一挙両得です(^^)

スクラップブックの中身

こちらはスクラップブックの中身をちょっとだけ拝見したものです。左下は改めていうまでもなく、1965年の「太閤記」で、右下は1982(昭和57)年の「峠の群像」ですね。そして左上は、もう一度秀吉を演じた、1978(昭和53)年の「黄金の日々」そして右上は、今度、NHKで再放送が決定した、1991(平成3)年の「太平記」です。なお、「太平記」の再放送は、2020年4月5日(日)より、毎週日曜日の朝6時から6時45分まで だそうです。これは録画しかないな(^^;)

これらのスクラップブックは、緒形さんの映画、テレビ、舞台に関する情報や評価などが載っていますし、コマーシャルなどをみても時代を感じます。早い話が芸能史の一端をものがたるだけではなく、当時の世相のその変遷を物語る貴重な資料になっているのですね。展覧会でこれらをどのように皆さんにみてもらうか?工夫が必要ですね。

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投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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