緒形拳展覧会余録 スクラップブックの限りない価値

歴史コラム
緒形拳展覧会余録 スクラップブックの限りない価値

メリークリスマス!と、昨日言うべきでしたね。大学も今日で仕事納めです。例年なら28日なのですが、今年は新型コロナウイルスの問題があって早めです。昨日は東京では888人感染したとか…。1000人越えも見えてきました。変種も出現しているということで、本格的に共生していくことを考えて行かなければなりませんね。

さて、昨日の続きです。昨日は緒形拳さんの台本、パンフレット、写真の整理状況についてお話ししました。本日はスクラップブックについてです。緒形さんのスクラップブックの価値については、このブログでも折に触れて書いてきました。

もっとも古いものが1963(昭和38)年の1月。それからお亡くなりになった2008(平成20)年までの分、192冊が残っています。業者に依頼されていたので、全国の新聞はもとより、雑誌も含めて緒形さんの情報が網羅されています。それも映画、テレビ、舞台だけでなく、コマーシャルなどもです。ただ、業者のスクラップブックに綴じられていないバラのものや、スクラップブックが壊れてしまったものもありましたから、大学院生に学生を交え、ウィンターセッションの授業科目「史料管理学演習」も使ってまとめました。その成果が192冊です。

こちらには1982年から83年の部分を拡大してみました。2種類のファイルに入れ、それぞれに年代の背ラベルを貼って整理しています。

少し中をのぞいてみましょうか?

こちらは1972(昭和47)年に朝日放送で放映された「必殺仕掛人」の新聞記事です。このように、日付と出典となる新聞名を記入した上で、実際の記事が貼り付けてあります。「必殺仕掛人」が「木枯らし紋次郎」という当時のヒット作に対抗して制作されたという記事ももちろん出てきます。

こちらは1983(昭和58)年に公開された「魚影の群れ」の記事が載った「週刊HEIBON」です。「週刊平凡」が向かって左端に書かれていることが、当時の芸能雑誌の状況を示しているようです。それにしても夏目雅子さん、懐かしいですね。

向かって右側、タイトルにもありますように、1982(昭和57)年のNHK大河ドラマ「峠の群像」の記事です。緒形さんが2回目の大河ドラマ主演を務められた「忠臣蔵」の物語です。最近、twitterの世界で、学生はもちろん、若い人が「忠臣蔵」を知らなくなったということが少し話題になったりました。

向かって左側は、サングラスのコマーシャル記事です。緒形さんがなかなか渋くてカッコいいですね(^^)

そしてこちらのスクラップブックは、1983年に公開された今村昌平監督「楢山節考」が、第36回カンヌ国際映画祭のグランプリ-パルム・ドールを受賞したことを告げた新聞記事です。「大もめ」とか「逆転劇」という文字が躍っています。この年のライバルは、大島渚監督作品で、イギリスのシンガーソングライター:デヴィット・ボーイに坂本龍一、ビートたけしが出演した「戦場のメリークリスマス」が本命と言われていましたからね。

ほんの一例ですが、こうしたスクラップブックが45年分192冊も残っているのです。正確な記事です。近現代の歴史研究の基本はまず、新聞や雑誌などの印刷部です。その意味でも、一俳優の歩みを中心としたとはいえ、通年で揃っているということも含めて、資料的価値は限りなく高いと思うのです。できたら、大見出し、中見出し、小見出しだけでも書き抜いたデータベースを作成したいと思っています。それができれば戦後大衆文化史の貴重なデータベースになることは間違いないと思うのです。

だから!どなたかご支援を~!!と、昨日のくり返しです(^^;)

さぁて、私の研究室も今年最後です。「ボロは着てても~♪心は錦ぃ~♪」

来年もまた、よろしくお願いいたしますね!我が校舎よ!

Merry Christmas! Mr.Lawrence!!

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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