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薩摩藩研究 若手求む 鹿児島県が助成金  2017/5/5 1:13 日本経済新聞

鹿児島県は来年の明治維新150年を前に、薩摩藩を研究する若手を育成するため、50万円を上限に研究費を助成する。

 ↓ 詳しくはこちら

http://www.nikkei.com/article/DGXLASJC04H0G_U7A500C1000000/

 

薩摩(鹿児島)藩については、意外と研究が少ないんですよねぇ。関連書籍はたくさん出ているんだけどな。九州大学の秀村選三先生が1960年代~70年代に「西南辺境型領国」として、幕藩体制の全体史に積極的に位置付けようとされたのですが…。そうした社会経済史的研究や構造研究よりも、どうしても政治史的なものに偏ってしまいますからね。島津家は鎌倉時代から続く名門で、島津家文書は重要文化財に指定されているんだけどね。

こうして助成金を出して、若手研究者を育成するというのは本当に良い試みだと思います。まぁ、すでに私は年齢制限(^_^;)。

ただ、いつも思うのは、どうして数年にわたる研究を助成しないのだろうか。この募集では、すでに研究を進めている人でないと応募はできないですよ。歴史研究は、古文書の調査から、解読、分析ととにかく時間がかかる。新たな若手研究者を求めるなら、せめて3年間は面倒を見て欲しいです。どうしてそうした考え方ができないのか。良い試みだけに、そうした決定的な欠陥が透けて見えます。

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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