来たる7月15日の土曜日、神奈川県立公文書館で「古文書を読む会」の講師を務めます。今回のテーマは「蛤御門の変(禁門の変)と小田原藩」です。ズバリ、小田原藩士の一大記録「吉岡由緒書」を読みます。「吉岡由緒書」には、幕命で京都守衛にあたっていた小田原藩の動向が詳しく書き綴られています。蛤御門の変は、文久3年(1863)8月18日の政変で都を追われた長州藩が、失地挽回を目指して、元治元年(1864)7月19日に伏見、堺御門とともに蛤御門で戦闘に打って出ます。もっとも激戦であった蛤御門では、御所を守る会津藩・桑名藩・薩摩藩の前に敗北を喫し、長州征討招く事態となったのでした。
この時の小田原藩主大久保忠礼(ただのり)は、讃岐国高松藩主松平頼恕(よりひろ)の5男として生まれ、安政6年(1859)に第8代小田原藩主大久保忠愨の死去により、その養子として家督を継ことになります。松平頼は元水戸藩主徳川斉昭の兄ですから、忠礼は一橋慶喜の従兄弟にあたっていました。もっとも、守衛の場所は、蛤御門の反対側だったために戦闘には加わっていません。とはいえ、吉岡家の当主信之(のぶゆき)は、忠礼にしたがって上京していますので、まさにリアルタイムの経験者でした。
こうした幕末維新期の記述が詳しいこともクラウドファンディングに挑戦して、「吉岡由緒書」を翻刻したい理由の一つです。乞うご期待!
※「吉岡由緒書」にある御所と仙洞御所の図
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