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iPhone12Proで古文書を撮影する!

twitterでは少し呟いていますが、ただいまiPhone12Proを使って、古文書を撮影することを試みています。これまでは一眼レフカメラはもとよりコンパクトカー(コンデジ)、ブックスキャナーなどを試してみました。一眼レフであれコンデジであれ、写真撮影は三脚を使うことになります。それがなかなか難しいのですね。方法は2つあって、雲台はそのままに前2本の足を短くし、後ろの1本を長くして撮影する方法と、雲台を下に付け替えることができる三脚を使って撮影するというものです。私は基本的に雲台を下につける方法を使っていましたが、その場合は前2本の足が邪魔になるんですよね。

もちろん、専用台があればそれを使ってやればカメラを前の方に水平につけることができて1番楽です。ただ、専用台は重い!まぁ基本的に据え置きですからね。後、GoProを使って撮影してみたこともありました。何より広角が使えるのがよいのですが、支える器材に何を使うかが問題でした。

そんな中で、iPhone12Proを使ったらどうかと、あるいはiPadでもいいですよね。すでに敦賀短期大学の多仁照廣先生はiPadを使った古文書撮影をやっていらっしゃいました。

ただiPhone12Proが便利なのは、広角レンズが優れているからなんです。かなり広い範囲を写せますからこれは使えるんじゃないかと!そうして器材を捜していましたら、次の2つがありました。

どちらもリングライトがついていないタイプがありますが、やはりついていた方がよいだろうと思います。必要がないときには外せばよいですからね。そうなると机などに噛ませるタイプがいいか、据え置きタイプがいいかということになります。どこiPhoneを取り付けるかも考えて、「真上から撮影可能」とうたった上のタイプを購入することにしました。こんな感じになります。

ここでまず最初に問題となったのは…撮影の際の安定性です。下の丸い土台はそこそこ重いのですが、並行に取付けると前に倒れそうになって不安定なんですよ。そこでいろいろとポジションを考えて見ました。

左上から1番上に並行につけたところ。これはやっぱり不安定です。右上は1番上から下に向けてセッティングしたところ。当たり前ですが、これではiPhoneが机と並行になりません。左下は逆に一番下につけてiPhoneを上向けにつけたところ。これも結構、不安定です。

で、最終的には右下のポジションが1番安定するようです。A3のサイズをiPhoneの1倍でちょうどになる位置に取り付けることです。下の黒いマットはちょうどA3サイズです。並行に張り出した棒は一番下より4分の1くらいの位置でしょうか。これでもiPhoneの広角側が大きいので、充分撮影できます。

左上が1倍、右上が2倍、左下が0.5倍、そして右下がぴったりにしたもので、倍率は1.3倍でした。0.5倍がどれだけ広角かわかりますよね。

これでようやく安定したポジションがわかりました。そこで実際に撮影していくわけですが、このリングライトが優秀なのは、昼白色、昼光色、電球色の3種類の電光が使えて、しかもそれぞれ10段階まで明るさが調節できるということです。とりあえず、それぞれの電光で撮ったのが次の写真です。

右上が昼光色、左下が昼白色、右下が電球色。まぁ~いずれも原文書の色には遠いですが、電球色が一番近いでしょうか?でも、読むのにはどれも充分ですね。

それではさまざまな撮影風景を見てみましょう。

状物と横帳ものです。状物は例えA3に収まらなくても、左右が空いていますから、クリスタル文鎮を使ってキチッと撮影できます。また、左下の横帳は広げたままのサイズで撮影しているところです。普通は片面だけ写していきますが、文字が大きければ広角でいっぺんにとることもできます。竪帳ならもう置いておくてめくるだけです。

撮影で1番面倒なのはフレーミングです。撮影の枠の中にいかにきちんと入れるかが問題です。その点iPhoneは、画面を上に向けていて常にフレーミングを確かめながら撮影できます。低いテーブルを使えば座って撮影もできるでしょう。またAppleTVを使えば、大きいディスプレイやテレビに映しながら撮影ができると思います。いずれにしてもこれだけ持ち運べばいいので荷物の少なくなります。折りたたむとこんな感じです。

重いのは丸い土台だけです。ただ、リングライトは外しておいた方がよいかも…です。また、充電器を持っていけばiPhoneを充電しながら撮影できます。また、リングライトもUSB接続ですから、パソコンとか充電器でも使えます。それから下の丸いスイッチみたいなもの、わかりますか?拡大してみます。

こちらはBluetoothでiPhoneと接続するカメラのリモコンシャッターです。これが便利なのは、iPhoneだけでなく、Androidでも使えることです。Amazonで498円で売っています。1個持っておくと自撮りも含めて何かと便利だと思いますよ。

ハイこちらが撮影風景です。

あまり自分は登場したくないですが(^^;)こんな感じで撮影しています。iPadのタイマーで撮りましたのでちょっと前屈みですが…。左手に持っているのがリモコンシャッターです。

後、もう一つ気をつけておかなければならないこと!iPhoneのカメラは必ず横撮りにしておきましょう。気がついたら縦になっていたということがままありますから!!

最後に、こちらはiCloudの画面です。必要なところをバーッと選んでダウンロードすれば、勝手にZipファイルでまとめてくれますから、後は解凍するだけです。取り込んだ古文書の写真は、PDFファイルにまとめると一つのファイルとして見ていけるので便利です。私はゼロックスのドキュワークスというソフトを使っていますが…。

いかがでしょうか?少しはお役に立ったでしょうか?

ということで、iPhone12Proで古文書を撮影する!のレポートを終わります(^^)/

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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