炎(ほむら)立つ我が産土神に祈らん…。

今日のつぶやき
炎(ほむら)立つ我が産土神に祈らん…。

明けましておめでとうございます。今年もこのサイトをどうぞよろしくお願いいたします。

2019年は、「平成」最後の年になりますね。今上天皇の「平成には戦争がなかった」というお言葉は本当に心に染み入る言葉だったとも思います。260余年にわたる江戸時代は、初期と幕末期を除けば、戦のなかった時代です。17世紀から19世紀の半ばまでほぼ内戦もなかった時代というには、やはり凄い時代だと思います。呉座先生の『応仁の乱』や亀田先生の『観応の擾乱』坂井先生の『承久の乱』等、近年、中世史がさかんですが、その主流が戦いであることを考えればなおさらです。

明治に入ると、大正から昭和20年(1945)の敗戦まで、わずか70年余の間に、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、日中戦争、第二次世界大戦と、戦争の連続であったことを思い起こせば、「戦争のなかった平成」がいかに尊いか…。次の元号の時代もそうであることを願わずにはいられません。そうする意味もメリットも無いのに、憲法改正そのことだけを目的とするような、この国の首相がそのはじめを司ることを思えば…です。すべての歴史に転換期があるとすれば、悲劇への大きな転機とならないことを祈らずにはいられないのです。

地域史を基本とする私は、いつもの通り、我が村の神さま「子之神社」=戸室神社へ、時計の針が新年を示したところで初詣です。

炎(ほむら)立つ我が産土神(うぶすながみ)さまです。江戸時代の村の神さまには、その生まれた土地を守る神さまである産土神と、村を守る鎮守さまと、一族の神さまである氏神さまの3つが合体した存在となっていきます。この土地に生まれ、この土地を守り、その一族を代表する神さまには、いろんな宗教を超えて、ただ「無事」を祈りたいのです。「無事」の世は江戸時代を象徴するイデオロギーでもありました。

今年も深夜にもかかわらず、たくさんの人がお詣りに来ていました。また、今年からぼんぼりが飾られていました。新しい試みです。一つ一つ子どもたちが書いたものです。その中に歴代の小田急ロマンスカーを描いたこんなぼんぼりがありました。

一生懸命書いた子どもたちへ想いを馳せます。だからこそ、願わくば、今年も「無事」であることを、良き年であることを、そして開けし未来があることを心から祈りたいのです。

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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