信州辰野にて 15年の歳月
さて、朝起きてとりあえず朝風呂に入ってみたら、諏訪湖が一望に見渡せるではないですか。夜だったから、よく分からなかったですね。さすがに展望風呂。改めて紅やホテル14階からの眺めです。
上はパノラマで撮った諏訪湖で、下は眼下のスワンボート乗り場です。湖が凍っているのが分かりますでしょうか。ただ、今年はそれほど冷えないようでして、諏訪湖名物の御神渡り(おみわたり)は今年も見られないようです。
朝食を済ませた後、辰野に向かいます。諏訪から辰野までは有賀(あるが)峠を越えて30分ばかりでした。峠越えなだけに結構、あちらこちらに雪が残っていました。でも、意外と近い。ただ、いつもは中央高速の伊北で降りますから、町に入ったはいいが、親戚の場所が分からない(^^;)カーナビもなかなか理解してくれない(^^;)いや、ちょっととまどいました。電話を入れたりして、ようやく到着。ここら辺はほとんど変わっていません。
法事は、かみさんのおばさんの1周忌でした。去年は参列できませんでしたからね。義父の実家は、江戸時代には庄屋を務めた家筋です。ここら辺は、廻り庄屋と言って、庄屋を務める家筋が数軒あって、その家筋で庄屋の役を交代で廻していきます。組頭にしてもそうですね。だから、古文書は、その庄屋を務めた時期に集中しているのが特徴です。検地帳、年貢割付状、年貢勘定帳などの基本的な古文書は一通り揃っています。その他にもここは高遠藩領ですから、高遠藩の家筋調べや用水関係、入会関係、中馬(ちゅうま)関係など、おもしろい史料が結構あります。いくつかは借りていて、授業で使ったりしています。久しぶりに本家を訪ねて、定年するまで貸して欲しいと改めてお願いしてきました。
こうしてわざわざ出かけるのも、本当に昔は良く、辰野に遊びに行っていたからでした。夏休みはもちろんのこと、ゴールデンウィークやことあるごとに。もちろん、史料調査もしています。本家の古文書の目録は、大学院生時代に学生たちと一緒に作成しました。隣家も廻り庄屋のお宅でしたから、古文書の整理をしたこともありました。また、本家以外の親戚からも春はタラの芽、夏はトウモロコシにトマト、秋は松茸、冬はリンゴと、いろんな作物を送ってもらっていましたので、本当に親戚ぐるみのおつきあいでした。でも、義父が2005年に亡くなってからはついぞ行く機会もなく、15年という歳月が流れてしまいました。
土手の向こうは天竜川で、一族のお墓はその下の田んぼの真ん中にあります。古い墓石ですと、17世紀後半の年号があるものもありましたね。確かに辰野の本家は古い家柄ですが、実は、高遠藩を3代将軍徳川家光の異母弟の保科正之が治めていた時代があって、その保科が寛永13年(1636)に出羽国山形藩20万石に、同20年(1643)に陸奥国会津藩に転封となる際に、辰野地方の地侍層や村落上層を家臣として連れて行ったために、この地方にはその次のクラスの百姓たちが残ったと言われています。廻り庄屋制がとられるのもそうしたことと関係するのかも知れません。
こうして久しぶりに諏訪湖~辰野の旅は終わりました。おまけに帰りの中央高速双葉パーキングには武田信玄の像が飾ってありましたので。
これ、去年の秋に奈良井宿~妻籠宿~馬籠宿に行った時にも帰りに見ましたが、なかなか立派で、何だか仏像みたいです。もっとも、本人も出家していますからね。ただ、この像の信玄はおそらく別人だろうとされています。
とにかく双葉のパーキングには信玄餅関係のみやげ物が多い!しかも多種多様!今日は信玄餅キットカット紹介しましょう。折しも私立大学の受験のシーズンです。受験生たち頑張れーーー!!きっと勝つぞ~!!!
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