史料管理学演習 第1日目

今日のつぶやき
史料管理学演習 第1日目

今日からいよいよ「史料管理学演習」が始まりました。金曜日まで100分-15コマの授業です。いや、始まったばかりでも先が長いですねぇ。

1日目は、「史料管理学演習概論」についての講義です。なぜ史料管理学演習という名称がついたのかは存じませんが、今の学問体系から言えば「アーカイブズ学」にあたりますね。史料管理学演習は、そもそも座学ではなく、実践なのですが、とりあえず基礎的な知識について学びます。

今年の受講生は12名。男女の比率がちょうど半々です。今日のようすを写した写真です。GoProの魚眼で取っていますので、まぁるく撮れていますが、お陰で全景が写っていますね。今日は講義ですから、一般的な教室型のレイアウトにしています。

さて、今日の史料管理学演習概論ではまず、史料整理について大まかな歴史について学びます。私の場合は、(1)実証主義歴史学の誕生と特徴、(2)歴史学と史料について大まかについて説明をした後で、実践主義歴史学の日本への導入から、(3)古文書学を中心に、古記録学・古典籍学(戦前)、(4)戦後の民間史料調査と近世史的史料整理法について学んだ後に、現在の方法論として、(5)欧米流アーカイブズ学の導入について説明していきます。私の場合は、いきなりアーカイブズの話をするのではなく、実証主義歴史学と史料の位置づけから、古文書学、戦後の世史的史料整理法の特徴とその問題点について先に話をします。アーカイブズ学が導入されるのは、1980年代になりますが、その当時から前線に立って史料の調査や整理をやっていた経験があって、正しくその渦中にいました。関東近世史研究会と神奈川地域史研究会(現在は休会となっています)の合同企画として、神奈川県内の史資料保存期間や自治体史編纂にアンケートを依頼して、その結果を『神奈川地域史研究』に掲載してもらったりしていました。ただ、私自身はその時代はまだ無職でしたから、研究者仲間から「無職の立場で運動に拘わるのはリスクが大きい」といったアドバイスを受けたこともありました。

そんな経験から、「史料整理」の経緯についてもぜひ知ってもらいという思いが強かったのです。テキストの抜粋をPDFファイルにしたものをアップしておきますので、興味のある方はダウンロードしてみてください。ただし、重要な語句は空欄の穴埋め式になっています。回答は最終日かその翌日にアップしたいと思います。

これらについては、あるいはテキストについても異論のある方もいらっしゃるかと思います。もし、ご意見等をいただければ幸いです(^^)

さて、明日からはいよいよ古文書を使っての史料整理実習です。

史料管理学演習テキスト(抜粋)=siryoukanrigaku2018

 

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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