【閑話休題】高名の木登り

今日のつぶやき
【閑話休題】高名の木登り

吉田兼好の「徒然草」に「高名の木登り」という話が載っています。この話が私は昔から好きでした

高名の木登りといひしをのこを人おきてて、高き木に登せて梢を切らせしに、いと危ふく見えしほどは言ふ事もなくて、おるるときに軒長ばかりになりて、「あやまちすな。心しておりよ」と言葉をかけ侍りしを、「かばかりになりては、飛びおるるともおりなん。如何にかく言ふぞ」と申し侍りしかば、「その事に候。目くるめき、枝危ふきほどは、おのれが恐れ侍れば申さず。あやまちは、やすき所になりて、必ず仕る事に候」といふ。 あやしき下臈なれども、聖人の戒めにかなへり。鞠も、難き所を蹴出して後、安く思へば、必ず落つと侍るや

高名の木登りと呼ばれた人が高い木に人を登らせて梢を切らせていたところ、危ないと思うところでは何も声をかけることもなかったのに、軒の高さほどになった時に「油断するな。心して降りよ」と声をかけたので、「なぜ、今になって声をかけたのか」と聞いたところ、「人は目がくらむような高いところで枝を払っているときは、怖がって用心しているが、過ちはもう大丈夫という高さで安心した時に起こるものであると答えた言う話ですね。

今朝、出勤しようとして表に出たところ、義母が「あれは何?」と聞かれたので見上げると、とっても大きなクレーンが出ていたので、適当に「ピアノとか吊るんではないですか」とか言ったら、とんでもない間違いでした。

そうです。クレーンは、2人の職人さん?!を吊していて、枝を払っているのでした。写真でも何となくクレーンの高さがおわかりかと思います。あ、これだったら、安全だなと思って、「高名の木登り」の話を思い出したというお話しでした(^^)

うちのベランダからみて左側の大木は昨年切っていましたし、これで右側の木の枝が払われましたから、今年の鮎まつりの花火はきっと絶景でしょう(^_^)v

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

コメントを残す

コメントを残す

«
»
  • LINEで送る