期末試験始まる
そろそろ期末試験が始まる時期となりました。私は今日がしょっぱなです。レポート提出は、卒業論文基礎1だけですから、残りの6コマはすべて試験です。やれやれ…。
本日2時限目の「日本近世史基礎演習」がそのスタートでした。「基礎演習」ですから、とにかく江戸時代の史料が読めることが目的です。読めると言ってもさまざまな段階がありますからね。もちろん、ここで読めるというのは、江戸時代の変体漢文を読んで、現代語に訳すことができて、内容が理解できることを言います。古文書の授業ではないので、いわゆる当時の草書体の筆文字を現代の漢字やカタカナ・ひらがなに変えるというのとは違います。
つまり、史料が読めるということは、それぞれの言葉(語句)の意味がわかって(昔のことですからね)、誰のことか、どこのことか、人名や地名、などを調べることができて、当時の組織とか慣習とかまで頭に入れて、なぜそれが書かれたのかなど、その事情を知ることができて、その時代背景がわかって、場合によっては何か間違ってないか、偽物じゃないかとか史料の批判ができて、そういうすべての「知」を総動員することで、その史料の意義がわかるということを示します。そうした史料をいくつもいくつも組み合わせて「史実」を復元し、その史実から歴史を組み立てていくわけです。それ自体には、かなり専門的な訓練が必要なことがわかっていただければと思います。そしてその史料は、時代ごとに大きく異なっています。江戸時代でも260年ありますから、初めと終わりではこれまた違っています。研究の個別分散化という問題がささやかれるのもこうした事情にもよります。だから、これまでの寄せ集めでない限り、まったくオリジナルな通史を書くというのは、本当の超人か、ただの身の程知らずか、よっぽど適当な人物か、もしくは歴史を主張の道具にしか考えない人物ということになってしまいます。
ちなみに本日出題したのは、水戸「天狗党」の追討に関する史料でした(^^)さてさて、学生諸君の出来はどうかなぁ?
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