続・卒論ゼミと遠隔授業

今日のつぶやき
続・卒論ゼミと遠隔授業

昨日、オンライン授業用にGoogleのハングアウトを使おうかと思っていて、いろいろと設定していると書きました。どうせならということで、このサイトのドメイン=ihmlab.netを使って、G-suitというシステムを組んで、それからテレビ会議でオンライン授業をやろうかなと思っているのですが、あいかわらず苦労しております。これりゃ無理かも…。オンラインより録画した授業を流そうかなとも思い始めました。オンデマンド授業ですね。ただし、私が登場するのは冒頭のみということで。

ただし、卒論ゼミについては、やはりオンラインでやりたいので、一応、ビデオカメラ兼Webカメラ&ヘッドフォンマイクを手に入れましたのでね。どちらも1万円しないのですから、よい時代になったものです。ヘッドフォンマイクはもっと安価なものがありますが、あまり安いと使い物にならないといいますからね。

昨日は、ゼミ学生側の条件について調査したと書きました。だいたい大丈夫かなというところです。PCを持っていなくてもゼミ生7名分のノートPCは準備していますから、Wi-Fiさえあれば大丈夫です。どれもはじめからWebカメラがついていますしね。

G-suitの設定についてはまた報告します。どうしてもだめならZoomからEdmodoというフランスのシステムを使ってみようかと思っています。

卒論ゼミで困るのは、何より入構禁止ですから、大学の図書館が一切使えないことでしょう。文系、ことに歴史学の卒論では活字になった史料を使うのが一般的ですからね。しかも外部の図書館も使えない。国立国会図書館をはじめ、神奈川県であれば県立図書館、それに横浜市立図書館も本学の図書館以上に史料が揃っています。小田原市立図書館はそもそも建て替え中。ここは史料もたくさんあったのですが、今はどうなっているのでしょう。あ、国会図書館なんぞは複写サービスも当分やらないとか…。

図書館だけではありません。博物館、資料館、公文書館の類も全部閉館中。国立公文書館の内閣文庫は江戸幕府の史料ですから、それだけでも重要だというのに、神奈川県立公文書館は歴史博物館ともども8月末まで閉館とか…(T_T)

私のゼミは、以前書きましたように、富士山噴火に関する卒論が2名、元禄地震が2名、安政地震が2名と4名が災害史です。その他は刀剣史にかぶき者、服飾史となっています。刀剣史も関係の博物館とかが開いていないと難しいんですよね。服飾史はもっと難しいです。何を史料に使うか…。

災害史に関する基本史料は、東京大学の地震研究所が出した『新収 日本地震史料』です。ただ、これはうちの大学にはなくて、私のがゼミ室に置いてあります。このほか、こと神奈川県内の自治体史をはじめとする史料集も、大学の図書館よりゼミ室の方が充実しているんですよねぇ。

『新収 日本地震史料』

これが『新収 日本地震史料』です。ところが、大学構内に学生は入れませんから、これらをみることもできないのです。もちろん、自治体史も…。春休みには、富士山噴火直後から1年間の史料を自治体史からピックアップして表にする作業をしていた学生もいたのですが、これを確かめることもできません。

実は私たち文系-歴史学関係の研究では、論文・文献(書籍)そして史料集を見ることができないのが1番辛い。もちろん、最近は史料のデジタル化も進んでいますが、すべてがデジタルになっているわけではありません。何より、古文書であれば、これを閲覧する方法が問題になりますし、翻刻した史料であれば検索等もできるのですが、基本的に江戸時代以前の史料は縦書きなのに、Webは縦書きには対応していませんからね。

何よりどんなに頑張ってもデジタルは1画面でしかみることができません。史料や文献などをいくつも開いて縦覧することができない。その点ではまだまだ活字には勝てません。ということで、遠隔授業がどうのこうという以前に、そもそも卒論の準備をする環境が鎖されている。それが1番の悩みです。

そうそう、G-suitでくよくよ悩んでいたら、Google Chromeがすごく使いやすいことがわかりました。ただいまEdgeからGoogle Chromeに乗り替え中です(^_^)v

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

コメントを残す

コメントを残す

«
»
  • LINEで送る