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王将3部作

いろいろとやることはあるのですが、土曜日は、橫浜のKAAT神奈川芸術劇場で北條秀司作で、新ロイヤル大衆舎の「王将」3部作を鑑賞してきました。NHKの朝のニュースでやっていましたが、今回の舞台はKAATのロビーに特設会場を設けて、150席ほどの椅子席で鑑賞します。本来は劇場の外に飛び出したり、舞台の周りには大阪の名物の屋台を並べたりしたかったそうですが、このコロナ禍です。残念でした。とはいえ、1度だけ、マスクをつけて劇場の外に飛び出して行かれましたけれどね!

「王将」は、将棋棋士坂田三吉の波乱に富んだ人生を描いた名作です。北條秀司作が新国劇の名優辰巳柳太郎に宛てて書いた「王将」の初演は、昭和22年(1947)年6月4日の明治座でした。三吉が亡くなったのは昭和21年7月23日です。その小さな死亡記事を目に留めた北條先生が。突然、ひらめいたように調べて書き上げたのだそうです。長女の美智留さんが生前によくお話しになっていました。考えて見たら1年経っていないわけですね。

第1部は、関根銀次郎との初対決から、関根の名人襲位を軸に、女房の小春の死までを描いたもので、これがもの凄く大当たりをしたことから、昭和25年(1950)1月に大阪歌舞伎座で、三吉が東京の将棋連盟に対抗して「関西名人」を名乗って木村義雄、花田長太郎らに敗れていく波乱の時期を描く「続王将」が上演されます。これもまた大当たりを取ったことで、同年12月には京都南座において弟子の松島の死から始まり、同じく弟子の森川が木村義雄名人を破るという快挙の反面で、老いた棋士の執念と死を描く「王将 終篇」が上演されます。この全編を「王将一代」といいますが、最近 あまり使いませんね。

第1部が午前11時から1時間半、第2部が午後2時から1時間半、そして第3部が午後6時から2時間という長丁場です!とにかく観る方も疲れます(^^;)

私は、2009年に劇団若獅子(現・若獅子の会)が上演した「王将」3部作を観ただけでした。若獅子は主宰の笠原さんが新国劇出身で、その流れをくむ劇団ですから、言わば王道の「王将」です。これに対して新ロイヤル大衆舎の「王将」は、まず大堀こういちさんが蝶ネクタイ姿でコントを入れながら、各部のあらすじを述べるというスタイルからほ~と思いましたね。主演の坂田三吉役福田転球さんはとにかく大熱演でしたね。坂田三吉は無学文盲で将棋しか頭にない男ですから、そのどうしようもない可笑しい男と、将棋の鬼とが同居して演じ分けるところにその妙味があると思うのですが、福田さんはとくに鬼と悲哀の側面を強く演じられていたようです。

江口のりこさんの長女玉江はよかったですね。玉江の気の強さが江口さんらしく全面に発揮されていて、やっぱりこの女優さんは凄いわとTBSの「ドラゴン桜」を観ながら思っています。また、後援会長の山内圭哉さんもよかったですね。また、小春役の常盤貴子さんの美しいこと美しいこと…。実は常盤さんが、KAATの芸術監督である俳優長塚圭史さんの奥さんとは存じませんでした。昨年は緒形拳さんの展覧会で、豊川悦司さんがトークショーをやってくださいましたから「愛してくれといってくれ」を全部見直しましたので、なおさら「あぁ~常盤さんだ」と思いながら見ていました。

とにかく、舞台もけったいでしたが、一人がさまざまな役をこなすことで少ない人数で舞台をこなすという斬新な演出にも感心させられました。とにかく、若いパワーに溢れた「王将」で実におもしろかったですね。帰りには久しぶりに眞野純館長にもお目にかかることができました。「すごくおもしろかったです」と言ったらとても喜んでいらっしゃいました。また、「役がはまっていないところがおもしろかった」というかみさんの感想に、深くうなずいていられたのが印象的でした。

まだまだ語りたいことはたくさんありますが、ただ、芝居を観ながら、緒形さんのことがダブってきて、「あ~緒形拳の王将が観たかったな」と強く強く感じた次第です。一緒に行ったハッピーさんにかみさんともしみじみそんな話をしました。眞野館長もまた同じ思いでしたね。

さて、今日は下の娘がノートパソコンの調子が悪いので買い換えたいというので、新宿のヨドバシカメラまで。一応、スペックとしてはCPUがインテルのi5以上、メモリが8MB以上、HDは止めにして絶対SSDにしてできれば512MBを買うようにといったのですが、やはりついていった方がいいだろうなと。できれば持ち歩きができる軽量の製品が欲しいというのですが、とにかくヨドバシカメラは種類が多いし、15万円くらいでというので、これはついていくしかないと!といったらかみさんもついてきましたけれどね。

で、さんざんヨドバシカメラで説明を受けて、結局、東芝のダイナブックの紺色バージョンに絞ったのですが、何と今は製品がないと言う。白はあったのですが、何かダサいと娘が言うし…。これでMicrosoftのOfficeを入れて16万くらいだったでしょうか?大学職員である次女は、大学からサイトから5台までOfficeのインストールが認められていますから、Officeはついていなくてもいいんですよね。さんざん迷ったあげく、結局、申し訳ないけれども他もみてみようということで、ビックカメラへ!

まさにスペック通りで、重さが1Kgを切っていて、Officeが入っていないNECの製品が14万円!これも実は白色なんですが、娘が言うにはdynabookの白はちょっといやだったけれど、こちらの白はセンスがいいと…。確かにベゼルとかの形を見てもスッキリしているんですよね。何よりこの重さは魅力。もちろん、値引きもしてもらってご満悦でした。

お昼は申し訳ないことながら、ヨドバシカメラの近くにある西安料理のお店シーアンで、刀削麺をいただきました。初めての刀削麺で、激辛のマーラー麺をチョイスしました。唐辛子と山椒がきいていて、その謳い文句通りに痺れる辛さでした。

いかにも辛そうでしょ~。本当に辛くて、晩飯は必要ないくらいでした。これに点心とデザートもついていましたからね。点心は3人で小籠包と水餃子と焼き餃子を、デザートは杏仁豆腐を頼んでお腹いっぱいでしたもん。

いろいろとやることはあるのですが、とりあえず充実した休日を過ごすことができました。ななが亡くなって1週間です…。

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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