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ギフテッド

朝、目が覚めると、アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)のロサンゼルス・エンゼルスに所属する大谷翔平選手がまたホームランを打ったという。松井秀喜さんのMLBにおける最高の31本に並ぶホームランを7月のはじめに打ってしまうという快挙にもう狂喜乱舞ですね。この7戦でというより、直近の7安打はすべてホームランだとか…。それ以前にホームラン以外での安打は、二塁打と三塁打、シングルはセーフティバンドのみって、まさしくホームランの打ち損ないがヒットという状態ですね。いや~凄い凄い(^^)

二刀流で活躍も今は打者の方が目立っていますね。先日のヤンキーズ戦ではなかなかストライクが入りませんでした。その前の練習で、どうもテイクバックが窮屈そうに見えたのですが…。ともあれ、バッティングでは高めの球はバットをたたきつけてバックスピンをかけ、低めの球はすくい上げるという、フライボール革命と言うんですか、その申し子だとも言われていますね。さすがに詳しいことはわかりませんが。

それにしても今シーズンは身体も2回りほど大きくなったけれど、両手の肘を背中でくっつけることができるという柔軟性は変わらないようで、それだけトレーニングも変わってきたのでしょうし、食事も含めてもの凄く努力をされたのですね。脇目もふらず野球に取り組んで、しかも楽しそうにやっている姿は好感しかありません。「巨人の星」世代の「腕も折れよと投げ抜く闘志…」というのは、今や昔です。でも、さわやかに軽やかににこやかに野球に取り組む姿勢は、やはり新たな時代のヒーローを感じます。より高見をめざす!選ばれた者たちであるからこそ、それが望まれる。野球などのスポーツもまた、エンターテインメントですからね。昔の選手は夜通し酒を飲んで、二日酔いでホームランを打ったとかいう話を武勇伝のように語ったりしますが、ちっとも感動できません。それでも凄いと言えば凄いのでしょうが、私たち素人では思い描くことすらできない高みを、スペシャルを、そこを目指して取り組む姿勢をこそ見たいのです。ダルビッシュ有選手もそこが素晴らしいんですよね。

天才が努力してこそ到達できる高みですね。今の若い人にはそんな可能性を感じる人がたくさんいます。将棋の藤井聡太九段もそうですね。スポーツ、将棋などの競技だけではなく、学問でもやっぱり天才と言われる人たちがいます。IQ130以上でギフテッドと言うそうですね。アメリカではそうしたギフテッドと認定される人たちを国家が支援しているそうです。Microsoftの創立者であるビル・ゲイツも、Facebookの創立者であるマーク・ザッカーバーグもギフテッドとして、国家から支援を受けていたそうです。こうした人たち、子どもたちも日本にも当然います。ただ、それを支援するシステムや活用するシステムがぜんぜん遅れているのでしょう。とくにITの分野…。台湾のオードリータンさんのような存在はきっといるはずなのに、本当の意味で必要な人が登用されるのでなく、結局、マスコミ受けする人が目立つだけのような気がします。古くて新しい問題、人材登用の問題ですが、登用する側に力と志がなければできない話です。

まぁここまでは天才たちのお話でしたが、それも結局はひと握りの話です。こんなことを考えていると、天才と言わなくても、才能というのは人それぞれなのだと思います。以前テレビのクイズ番組で、確か直径○メートルだかキロメートルだかの隕石が○キロメートルで海に落ちたときの波の大きさを計算しなさいだとか何だかのちんぷんかんぷんな問題が出ていました。これを解答した女子学生が言っていたのですが、こうした問題を与えられるとその数式が、解答への道筋がパーっと見えるのだそうです。それを聞いていて思いました。

私ら歴史家は、史料を見るとそれからどんな問題が考えられるか頭に浮かびますし、初めての古文書でも一連の史料であれば、それでどういう論文が書けるか、その道筋が見えてきます。同時に、どういう史料が足りなくて、何を調べればその道筋の穴が埋るか、もし埋らなければ次にどのようにするかという像が見えてきます。つまり、解答への道筋が見える分野が違うだけなのだと、そんなことを考えてみました。それは天才かどうかではなく、どれだけ論文や本を読んだか、どれだけ史料を読んだかによるのです。ただ、私は実は論文や専門書を読むのがもの凄く苦手です。それでも何とかやって来たのが不思議ですが、年をとるとそのアラだけが見えてきます。あぁ~やっぱりもっと論文も専門書も読んでおけばよかったと。できる限りはこれからも頑張ります!以上、とりとめない凡人のお話でした(^_^)v

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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