皆さんは、声帯模写の3代目江戸家猫八師匠をご存じですか？中村吉右衛門さん主演の「鬼兵衛犯科帳」に密偵相模の彦十で出演されていたのをご存じの方も多いのではないでしょうか？もっともオールドファインは「お笑い三人組」を見ていたという方もいらっしゃるかも知れませんね。私はやはり笑点などの演芸番組で、見事な動物ものまね＝声帯模写をやっていらっしゃったのを覚えています。昔は演芸番組も結構、数がありました。当時は江戸家小猫と言っていた4代目猫八師匠との親子共演も忘れられません。小猫さんが4代目を襲名された時には襲名披露公演に厚木市文化会館にお越しになって、3その際にはじめてご挨拶させていただきました。2016年になりますか、4代目が若くして亡くなられたのはショックでしたね。

昨日、10月3日はお江戸日本橋で3代目猫八師匠の生誕100年祭が催されました。江戸家まねき猫師匠と猫ハッピーこと、お馴染みのハッピーさんの主宰です。

本当は1921(大正10)年10月1日の生まれだそうですが、戸籍上の誕生日は5日とのこと。昔はよくあったんですよね。うちの父なんぞは本当は5月の生まれだったけれど、出生届が出されたのは9月だったとか言っていましたもの。

ともあれ、間をとって10月3日。奇しくも1年前のこの日は、横浜市歴史博物館で「戦後大衆文化史の軌跡－俳優緒形拳とその時代－」展が始まった日でした。しかも緒形さんの命日は10月5日。何ともいろんな縁が張り巡らされた時期だな～と思いつつ、もちろん参加させていただきました。

昼の部は、日本橋の確か神茂さんと言っていたかと思いますが、おでん種で有名ですね。それと出雲の仁多米でお食事。猫八師匠はとにかくおでんが大好きで、今日はおでんと言えば1週間はおでんが続いたとか…(^_^;)

それから夜の部までにはちょっと時間があったものですから、ハッピーさんお手製の日本橋地図を広げて、日本橋七福神めぐりと洒落込みました。もっとも、かみさんが御朱印帳を忘れてしまったのですが、今はほとんど紙に書かれたものをいただきますからね。

 

上の写真の左上からまずは笠間神社。茨城県の笠間稲荷の別社で、七福神は寿老神です。右上は末廣神社で毘沙門天ですね。左下は松島神社で大国神。右下は言わずと知れた水天宮さんで、水の神様ですから弁財天になります。もっとも弁財天は左に半分移っているお社ですが…。あ、水天宮さんの本社は私の故郷、福岡は久留米ですからね。

さて、下に参りましょう左上は茶ノ木神社で布袋尊なんですが、なんとこの日は社務所が開いてなくて、御札はいただけませんでした。日曜日なのに…。で、右上は小網神社で福禄寿…なんですが、ここでかみさんが弁財天をいただいてしまうという痛恨のミスをしてしまいます。考えてみたら水天宮では私が御札をいただいていたので、2種類あったうちの弁財天をいただいてしまったようです。もらってきたとたん「そりゃ違うやろ。そもそも水の神様が弁財天だから水天宮がそうやろ」とひと言。そもそもこの水天宮に来るのは3度目くらいになるというのに…。ま、それはさておいて、最後は右下、椙森神社で恵比寿神で七福神というわけでした。

え？左下が残っている？これは実は日本橋堀留町のビルの合間にひっそりと建っている岩代稲荷神社、通称出世稲荷神社です。神社は見えてもどこから入っていいか皆目わからず、ぐるっと回って、本当にビルというかマンションというか間に挟まっていました。それでも出世をめざそうというのですから立派なものです。

ついでに最後にはここ！

日本橋室町の福徳神社です。10月になってグッと落日が早くなって、午後5時頃に日が傾き始めたところで、明かりがついて、なかなか美しく撮れました。お賽銭にある丸に「福徳」の文字は、本当に徳川家康が使っていたハンコをそのままデザインしたものなんですよ。

さてさて、夜の部は「お江戸日本橋亭」で新たに結成された「中央区おはなし三人組」による公演会！

「中央区おはなし三人組」は中央区の後押しを受けて中央区生まれもしくは在住のまねき猫お姉さまに落語の三遊亭朝橘さん、講談の神田三緑さんのトリオです。前座は落語の桂空治さんが務められました。

午後6時から始まって8時30分までもう笑いっぱなし。いやおもしろかったですね。考えてみたら、江戸家まねき猫－動物声帯模写、三遊亭朝橘－落語、神田三緑－講談と、３つの伝統芸能がいっぺんに楽しめるというわけですからお得ですよね。うちの日本史の学生たちにも聞かせてあげたいものです。