花曇り…武道館の桜

今日のつぶやき
花曇り…武道館の桜

3月も後3日ですね。30日には2年半ぶりに福岡の実家に帰るつもりで、本日は3月最後の出勤になろうかと思います。まだ新学期の準備もできていませんし、「吉岡由緒書」の編集も遅々として進みません。それでも刻一刻と無情に時間だけは過ぎていきます。どうしようかと悩む毎日です。

さて、そんな私の心情などどうでもいいように(当たり前ですが… ^^;)本学でも梅の季節から桜の季節へと春は着実に進んでいます。昨日は東京は目黒川の桜を紹介ましたが、本日は本学湘南キャンパスの桜を紹介しましょう。湘南キャンパスは実は桜の名所でもあるのです。名所は3箇所あります。準硬式野球場の周りと野外音楽堂の西側、そして武道館の門の周りです。その他にもいくつかあるのですが、ここでは武道館の桜を紹介しましょう。

残念ながら蒼天の空に!とは行かなかったのですが、その分、春らしい花曇りの1日でしたね。こちらが武道館の門とその周りの桜です。武道館の門については、桜の季節になると毎年紹介しています。もともとは日本橋蛎殻町にある水天宮の門だったもので、水天宮を建て替える際に移築されたのでした。蛎殻町の水天宮は今では総コンクリート造りになっていますね。

蛎殻町の水天宮は、福岡県久留米市にある総本宮の水天宮を勧請したものです。久留米水天宮は、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を祭神とし、源平合戦の最後、壇ノ浦の戦いで海中に消えた安徳天皇とその母で平清盛の娘である建礼門院平徳子、そして清盛の正室二位尼(にいのあま)平時子を祀っています。久留米市の隣町である八女郡広川町が私の生まれ故郷です。5月3日から7日が久留米水天宮春の大祭で1年中で1番賑わいます。とくに5月5日のこどもの日が例大祭でもっとも賑わう日だったので、中学校の頃までは毎年のように行っていました。中学校時代、1970年代初めでも500円あれば友達と一緒に行って、1日遊べたと記憶しています。

水中に没した安徳天皇らを祀った神社ですから、水の神様であり、また安産の神さまでもあります。筑後川沿いの神社ですから河童伝説はもちろんのこと、瓢箪のお守りが有名で、私らの小学校では、みな瓢箪のお守りを首に提げていたものです。それに倣って娘たちにも瓢箪を首からぶら下げさせていたら、保育線の先生に「危ないから止めてください」と怒られたことがありました。もう20年以上前の話ですが、すでにそんな時代ではなかったですね。

久留米水天宮は、江戸時代には久留米藩有馬家の管轄になります。有馬家は水天宮の神主も勤めますし、幕末には勤王の志士として著名な真木和泉守を輩出しています。この有馬家15代当主の有馬頼寧(ありまよりやす)が、本学の創立者の一人でした。今では松前重義が創立者となっていますが、本学の前身である航空科学専門学校、その母体となる国防理工学園は6人の創立者からなっていて、その一人が有馬頼寧でした。有馬頼寧は昭和12年(1937)第1次近衛文麿内閣の農林大臣を務めるなど、政治家としても活躍しています。戦後は日本中央競馬会理事長として競馬の復興にも尽力しますから、年末の重賞レース有馬記念にもその名前が残っています。そんな関係から水天宮の門がここに移築されることになったのでした。

今年もいろんな角度から写真を撮ってみました。上から撮った左下の写真は7号館の屋上から撮ったものです。下から見上げると満開でしたが、上から見ると九分咲きといったところでしょうか?これが舞い散る時はまた壮観なんですよね。

ちなみにこの門の奥にある武道館は、本学建築学科の第1代主任教授で湘南キャンパスと校舎をデザインした山田守の手によるものです。山田守は逓信省時代の松前重義の同僚で、東京帝国大学で学び、分離派と呼ばれるグループのリーダーの一人でもありました。東京の日本武道館や京都の京都タワーのデザインで有名です。本学の武道館は、京都の三十三間堂を模したものだそうで、スラブと呼ばれる床や屋根のひさしの薄さを好む山田守の特徴が存分に発揮された建物です。ここでは国内はもとより世界的にも有名な柔道部をはじめ、剣道部やボクシング部などが活動しています。

ちょっと説明が長くなりましたので、今日はここまでにしておきましょう。

ところで、皆さんご存じですか?グリコのプッチンプリンは、この時期には期間限定で桜の形をしているのです。今日は通勤の途中、近所のファミリーマートで買ってきました。

ほうら!桜の形をしているでしょう(^^)ちなみにファミリーマートに入ると、チャラララランラチャラララ~という音楽が流れます。この音楽は、私の実家の玄関のベルの音と一緒なのです。娘たちが小さい頃には、ファミリーマートに入るたびに、じいちゃんちの音とかばあちゃんちの音とか言って喜んでいました。まぁ~どうでもいい話ですね(^^;)

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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