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湘南キャンパス桜祭り

さて、本日は昨日の武道館周辺の桜に続いて、湘南キャンパス内部の桜の名所にご案内しましょう。武道館は、南門(正門)の外にありますから、今回はフェンスに囲まれたキャンパスの内部にある桜の名所です。写真は昨日のものです。

昨日も書きましたように、キャンパスの中には準硬式野球場の周りと野外音楽堂の西面に多くの桜の木が植えられてます。こちらは準硬式野球場の外野から1号館の鉄塔を撮ったものです。見事な咲き具合でしょう。写真の上の方に見えているのは、外野のフェンスの外に植えてある桜です。

撮った枚数が多いので、少しまとめてアップしますね。左上は、野外音楽堂の西面の桜です。これも1号館の赤いアンテナ塔が見えていますね。右上は準硬式野球場の西面から撮ったもので、桜の向こうには3号館のこれも赤いタワーが見えています。実はこのタワーは、当初の計画では京都タワーを模したものが建てられる予定でした。残念ながら実現はなりませんでしたが…実は熊本キャンパスには京都タワーを模したタワーを乗せた校舎が建っています。

左下は準硬式野球場の西側、ライトのフェンスの外から撮ったものです。もうこちらは満開ですね。最後に右下は、準硬式野球場の東側、レフトのフェンスの外側に植えられた桜です。よく見ると満開まではいっていないようで、九分咲きといった感じですね。

野外音楽堂西面の桜は、枝を切る以前は地面に着くほど枝が伸びていてそれはそれは見事でした。今のところ、満開まではいっていないようですので、1枚だけアップしました。

こちらには準硬式野球場、野外音楽堂以外の桜をご紹介しましょう。左上は、旧9号館の東側、現在はローソンの入口の前にある桜の木です。椿の花もまだ咲いていました。右にみえる校舎は12号館で、奥に見えるのは19号館です。

右上は、8号館の土手の上の西側に植えられた桜で、後ろに見えるのは15号館です。左下はこれも同じ土手の上で東側に植えられた桜です。後ろに見えるのが8号館です。1階は食堂になっています。

これらの桜の木は、創価大学(東京都八王子市)の開学(1971年)に対して、時の松前重義総長が尽力したことから、創価学会の池田大作会長から贈られたものだそうです。ただ、松前総長は桜があんまり好きではなかったそうで、目立たないところに植えるように指示したとの話が残っています(^^;)松前総長は欅の木が大好きで、よくここでも書いているように、中央通りの両脇には欅の木がずらーっと植えられています。どちらも花が、または葉っぱが散る木なんですけれどね。欅の木も黄緑色の葉っぱが芽吹き始めています。

昨日と打って変わって今日も肌寒くて、三寒四温の日々が続きますね。だから今年の桜は長持ちしそうだとのことです。

世の中に 絶えて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし

散らばこそ いとど桜は めでたけれ 憂き世になにか 久しかるべし

「伊勢物語」82段「渚の院」の章で、「世の中に…」は在原業平(ありはらのなりひら)が詠んだ和歌で、「散らばこそ…」は、その返歌として詠まれたもので作者は不詳となっています。

この世の中に、全く桜というものがなかったなら、春を過ごす人の心はどんなにのどかであることでしょうと言いながら在原は、桜を愛でているのです。それはわかった上で、いやいや散るからこそ、桜はいっそうすばらしいのです。この辛い辛い世の中で、いつまでも変わらないものなどありましょうか。いやありはしません。

「うきよ」を「浮き世(浮世)」と書くようになるのは江戸時代からで、それ以前、中世までは「憂き世(憂世)」と書くのが普通であったといわれています。この世はまさに辛いことだらけの世の中で、だからこそ人々は「極楽浄土」をめざすのです。ところが、江戸時代になると260年以上にわたって「平和」が続き、あの世より現実のこの世をこそ強く肯定するようになります。

新型コロナウィルスのパンデミックから2年、今年はロシアのウクライナ侵攻があって、さらに先行きが見えない世の中になりました。今はそんな「憂き世」の桜かも知れません。それでも桜吹雪が終わるまで、せめて愛でていたいものです。明日はようやく2年半ぶりに福岡は八女の実家に帰ります。

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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