吉備津彦神社と吉備津神社…2つの一宮

今日のつぶやき
吉備津彦神社と吉備津神社…2つの一宮

昨日の続きになります。実は6日は明石城を訪ねるために午前4時起きで、小田原を6時台の新幹線ひかりに乗りました。朝の早い時間で小田原に停まるひかりはそれしかなくて…。今回は西明石駅まで直通で行って、ひと駅戻る形にしました。そうしたら8時半過ぎには西明石駅について、9時には明石城に着いたのでした。それからゆるりと坤櫓(ひつじさるやぐら)と巽櫓(たつみやぐら)をはじめとした城内を見学しても11時過ぎには終わりました。そろそろお昼にということで、明石で食べるならやはり明石焼でしょう!ということで…。

地元ではどちらかというと玉子卵焼きということの方が多いみたいですね。私が食べたのは「明石焼 いづも」という昭和の匂いを感じさせる古風なお店(という言い方がよいかも)でしたが、本家玉子焼きのお店「きむらや」にはたくさんの人が並んでいました。

ゆるく焼いた「玉子焼」に大きなタコを入れ、出汁につけて食べる。とろりとした玉子焼と明石名物の柔らかいタコがマッチして、明石焼は本当に美味しいです。

とりあえず午前中で第1の目的は果たしましたので、2日目に備前長船刀剣博物館を訪ねることを前提に、6日は岡山駅近くのホテルに泊まります。だからまた西明石に戻って、今度は新幹線の自由席で岡山駅へ!

岡山駅では当然のことながら、桃太郎さんが犬と猿と雉子とお供について迎えてくれます。午後の目的は、備中一宮吉備津神社に行くことでした。桃太郎伝説でも有名ですよね。吉備津神社に行くにはJR桃太郎線に乗ります。もう路線の名前からしてテンションが上がります。

荷物をホテルに預けて、急いで桃太郎線に乗り込んで一路、吉備津駅をめざします。その吉備津駅のひと駅前、車内アナウンスを聞いていたら、備前国一宮吉備津彦神社に行かれる方は次の一宮駅でお降りくださいというではないですか!えっ吉備津神社は終点の吉備津駅では?でも一宮駅と言っているし、どっちからでも行けるってこと?と頭の中は???だらけです。急いでスマホで検索して見ると…。

まったく何にも知らなかったのですが(いつもこんな調子で行き当たりばったりです ^^;)。どちらも吉備中山を本体に仰ぐ神社で、そもそもは現在の岡山県岡山市北区吉備津にある吉備津神社が吉備国一国の一宮とされたようです。その後、吉備が備前(びせん)、備中(びっちゅう)、備後(びんご)と別れるにしたがって、備前国には吉備津彦神社(岡山市北区一宮)、備後国には吉備津神社(福山市新市町)の3社に分かれたとか。だから、備中の吉備津神社は「三備一宮」とも称しています。

これはまず吉備津彦神社に行くしかない!ということで急遽、一宮駅で降りて吉備津彦神社に行きました。随神門から入ると大きな池があって、右に靏島神社、左に亀島神社の2つを安置する島がありました。境内はスッキリしていて、とにかく末社の数が多かったです。

こちらは拝殿と本殿を撮ったところです。陽の光がちょうどよい案配です。現在の本殿は、寛文8年(1668)に藩主の池田光政が造営に着手し、その子綱政の際、元禄10年(1697)に完成した吉備国神社建築の伝統を受け継ぐ「流造り」という様式だそうで、岡山県指定の重要文化財になっていました。

さて、次に備中の吉備津神社に行きたいのですが、桃太郎線を待っていても時間がもったいない。これもスマホで調べてみると、歩いて24~25分だという。だったら歩こうということになりました。途中には…。

ここが備前国と備中国を分ける細谷川でここに架かっている橋が両国橋だそうです。東京の両国橋とはまたずいぶん違いますね(^^;)でも、国境であることには間違いないのです!

吉備津神社は、もと吉備国一国、現在は三備一宮と称するだけあって、参道から何からとにかくりっぱな(語彙力がなくて申し訳ございません)神社でした。とにかく境内が広くて、本殿と拝殿は明徳元年(1390)後光厳天皇の勅命で、室町幕府3代将軍足利義満が再興に着手し、応永33年(1426)に完成したそうで、国宝に指定されています。

「双翼入母屋造」という建築様式で、全国でもこの吉備津神社だけの様式で「吉備津造」とも呼ばれています。この双頭の屋根がやっぱり素晴らしいですね。ここも当然のことながら末社が多く、南北の随神門や御釜殿は国の重要文化財に指定されているそうです。また、県の重要文化財ではありますが、全長360メートルにおよぶという廻廊もなかなか風情がありました。

こうしてさんざん歩き回って、帰りは桃太郎線で岡山駅まで帰ります。

このローカルな駅舎と線路の雰囲気がまたいいですね。ただ、堪能しすぎて肝心の電車を撮ることを忘れていました。

6日、1日目の総歩数は2万2500歩余、いや~本当によく歩きました。大浴場があるホテルに泊まってよかったですわ(^_^)v

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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