「花戦さ」を観てきました!
昨日から公開されました話題の「花戦さ」を観てきました!京都頂法寺の坊の一つ六角堂の寺僧、初代池坊専好(天文5年[1536]カ?~元和7年[1621])を取り上げた物語です。戦国時代の池坊家は、それまで書院の飾りとされていた生け花=「たてはな」を一個の独立した「芸術」として鑑賞する「立花(りっか)」へと昇華させたといわれ、とくに2代目の専好(永禄13年[1570]カ?~万治元年[1658])は、これを大成させたといわれています。寛永文化を代表する芸術家です。
ここではあくまでも初代の専好が主人公ですが、専好を演じた野村萬斎さん、豊臣秀吉を演じた市川猿之助さん、千利休を演じた佐藤浩市さん、織田信長を演じた中井貴一さん、前田利家を描いた佐々木蔵之助さん、そして専好の親友吉右衛門を演じた高橋克実さん等々キャストが豪華です。これだけの方たちが堂に入った演技を魅せるわけですから、時代劇としておもしろくないわけはありません。さすがに観客の年齢層も高かったですけれどね(^^)
ただ、私は観ていて2代目の専好とずっと勘違いしていました。それ自体は私自身のミスです。ただ、これは原作がそうなのか脚本なのかわかりませんが、どうも時代性というものを今一つ感じないのですね。2代目に劣らず、初代の専好も華道の革命児だと思うのですが、そうした個性とそれが生み出される時代性がもう少しうまく描かれていたらと、研究者としては感じてしまいます。秀吉に4枚の猿猴の図と松の生花を見せたのは事実のようですし。ま、ネタバレになってしまいますので、詳しいことは省きます。
NHK大河ドラマの「おんな城主直虎」もそうですが、森下佳子さんの脚本は、人間の物語としては多面的でうまいなと思うのですが、それを縦に貫く歴史の流れのダイナミズムが今一つ感じられないのが残念だと思っていました。ま、あくまでも映画ではないですか!と叱られましたけれどね。
それにしても、花を活かし人を活かすというその物語の根幹はよくわかります。花がやっぱり見事です。
※パンフレットの表紙です。
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