もつ鍋屋さんは、昔懐かしき…。

今日のつぶやき
もつ鍋屋さんは、昔懐かしき…。

下の建物をご覧ください。ここ数年で話題になったもつ鍋屋さんで”もつ蔵”といいます。それにしても何だか歴史がありそうな建物だと思いませんか?入口の電球にさえ趣があります。

ここは大正10年(1921)に「あわしまや」という呉服屋さんの別邸として建てられたものだそうです。八女市の旧中心街の福島町は、その昔、商人の町として賑わっていて、今でも白壁づくりの家並みが残っています。

でも、この建物は、それ以上に私にとって一生忘れることのできないものなのです。

今からもう50年以上も前の話になります。ここは”平井病院”という内科の個人病院で、小学校に上がる前の私は、慢性腎臓炎でひと月ほど入院していました。その頃から外観はほとんど変わっていません。入口もです。庭園もです。もちろん中はお店になっていましたが…。

この2階の窓際の方の部屋は、私が入院していたときのままです。畳の部屋で、仕切りは襖でした。慢性腎炎はとにかくじっとしていなければなりません。ずっと天井を見上げて寝ていました。階段も変わっていません。この裏にトイレがあって、トイレに行きたいときには付き添っていてくれた祖母がおぶって連れて行ってくれました。腎炎の食事では、塩を使ってはいけません。もちろん、醤油などをかけることもダメです。まったく味がしない食事のまずさを今でも覚えています。救いは果物だけでした。もう本当にずっとずっと遠い遠い昔の話ですが、こうして建物が残っていたこと自体が奇跡です。平井病院が閉じてからもずいぶん経ちます。その間にも手入れはされていたのでしょうか。それ以前に、瀟洒な造りといい、やはり建物がしっかりしていたのだなと思います。

食事に関してはまずい想い出しかなかったのですが(^^;)どうしてどうしてもつ鍋も鶏のたたきも、もろもろ美味しかったです。しかもこちらは女子会用にピザなどもセットになっています。女性が多いので、ピザが入るセットを頼みましたが、マルゲリータもアンチョビのピサもとっても美味しかったです。

昨年帰郷した際にはちょうど定休日でしたので、ようやく念願が叶ったのでした。故郷の想い出は遠くで生きる私にとっての活力でもあります。

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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