何が学びを妨げるのか その5 国公私立大学の数と在学者数
18歳人口、大学数、進学率に続いては、在学者の数です。大学数と進学率の結果でおおよそは見当がつくと思いますが、ここでは国立大学・公立大学・私立大学の別ごとにみていきます。ついでに大学の数も国公私立大学に分けてみていきましょう。
まぁ、当たり前といえば当たり前なのですが、大学数の伸びは私立大学の新規開設によるものです(短期大学からの改編を含む)。大学総数の描く折れ線と私立大学数の描く折れ線の形状が見事に一致しています。その点、国公立大学はほぼ一定なのですが、公立大学は1990年代に少しずつ数を増やし、反対に国立大学は2004年に減少しています。2004年は改めて言うまでもなく国立大学の独立法人化が実施された年です。この結果、2006年になると明らかに公立大学の数が国立大学を数を逆転します。とくに地方の私立大学では、自治体との協力で私立大学が公立大学へ改編されている例が増えています。私立大学は今後も定員割れと経営の困難さが増すと考えられますから、そうした改編はこれからも続いていくことでしょう。
在学生の数でいえば、私立大学が大学数の増加に応じて大幅に人数を伸ばしているのは当然として、国公立大学もやはり1990年代以降在学者の数が増えていることが注目されます。とくに在学者数でも規模は国立大学におよばないとはいえ、まだ漸増の傾向にあるようです。これからは、とくに地方では、公立大学の動向が大きな鍵を握ってくるのかも知れませんね。
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