先週から始まりました。今年の古文書講座。場所はお馴染みのユニコムプラザさがみはら。本学地域連携センター(旧エクステンションセンター)生涯学習講座の一つです。既報の通り、タイトルは「古文書でみる幕末維新の神奈川」で、今回は明治維新150年を記念しまして、「戊辰箱根戦争」に関する古文書を読んでいます。これは始まる直前の写真です。今年の受講者は21名でした。
ただいまは、クラウドファンディングの成功によって、今年度に刊行を予定している「吉岡由緒書」の中から戊辰箱根戦争に関する記述を読んでいます。この時は8代目当主の信徳が実際に幕府遊撃隊との戦いに出陣していますので、これまたリアルな記述が興味深いです。
それにしても、正直なところ、古文書講座はいろいろと準備がかかって割に合いません(^^;)いや、普通に講演や研究発表でもレジュメに懲りますから、割にあわないのですが…。性分ですね。その中でも、古文書講座は特別です。史料を読むということは、単に文字を読めばいいというのではなく、その社会背景や時代背景はもちろんのこと、その言葉の示す意味などもきちんと調べなければなりません。そこらへんもフォローしようとすると、ついつい資料が多くなってしまいます。
小田原藩は、慶応4年(1868)の2月には早々に勤王を宣言しているのですが、幕府遊撃隊が箱根を占拠すると、土壇場になって官軍を裏切ってしまいます。それが大変なことだと知ると今度は官軍側について、官軍が見守る中、箱根の山崎で遊撃隊と戦います。なぜ、そうした行動に出たのか?未だ謎のままです。御殿場の日野屋が本店の近江(滋賀県)の日野屋に出した書状では、殿様だけが旧幕府につくことを主張しているという噂が流れていると書き留めています。真偽のほどは定かではありませんが、藩主大久保忠礼の血筋をたどればそうかなぁ…と思わないでもありません。
ということで作成したのが下の図です。以前にも紹介しましたが、改めて再掲載します。藩主忠礼の父親は、讃岐高松藩主松平頼恕の子で、頼恕は水戸藩主徳川斉昭の兄になります。一橋慶喜と忠礼は従兄弟の関係にあったわけです。禁門の変や天狗党の追討では行動を共にしていますので、京都で会談をした可能性は大いにあります。ちなみにこの図では、南紀派と一橋派についても図示していますので、参考になればと思います。
あと、こちらは昨年のGWに訪ねた高松城の写真です。嘉永頃の再建だそうですが、なかなかいい城でしたね。
投稿者プロフィール
最新の投稿
今日のつぶやき2023年10月2日一炊の夢 L188Mile お知らせ2023年9月12日秋の北條秀司展 L257Mile 今日のつぶやき2023年6月29日夏色 L281Mile 今日のつぶやき2023年6月21日あつぎ郷土博物館 L289Mile