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学ぶ場を創る

最近の学生はキーボードが打てなくなったと言います。スマホやタブレットの普及によってキーボードを打たなくても簡単な文章を打つことは可能だし、インターネットにも繋がる。ケータイ小説というのが話題になったのは何年前だったでしょうか?現在のところ、社会人になれば、ワープロと表計算ソフトはたぶん必須でしょう。もっとストレートに言えば、ワードとエクセルですね。あと、パワーポイントができればOKというところでしょうか。そうでなくても、400字詰め原稿用紙で60枚、24,000字の卒業論文を書くためには、またそのために論文・文献目録や史料目録を作成する際にもエクセルは必要になります。もっとも、何度か言いましたように、私自身はワードは使いませんし、データを管理するのはデータベースソフトの「桐」であって、エクセルは基本的に表を作成するために使っています。少しは計算の必要があって、後はグラフ作成ですね。でも、桐でなければ作成できないグラフもありますので、完全にエクセルだけでは無理です。

と、別に自分のPCアプリ環境の話をしても仕方がないですね。もちろん、大学にはPC室が完備されていて、学生たちも自由に使えます。でも、決定的に足りないのは、実は辞書機能です。インターネットができても、ワードやエクセルが使えても、史料を読んで、意味を調べて、関連事項を調べてと広げていくためには、インターネットは便利ですが、何せ玉石混交。信頼できる辞書と併用していかなければ難しいですね。ネット上の辞書と言えばジャパンナレッジですが、個人ではいると何せ高い。政治経済学部は1人1台のノートパソコンを入学時に貸与すると言うことでしたが、今年からは止めるようです。何せ歩留まりを読むのが難しいらしいです。2月には購入しておかなければならないそうですが、その時点で何人入学するかは分からないですからね。

家庭も必ずしもPC環境が揃っているとは限らないですし、だいたい共用の場合がほとんどでしょう。うちみたいにデスクトップパソコン2台、ノートパソコン3台、複合機プリンター1台、インクジェットプリンター2台なんて…異常ですよね(^^;)

ただ、卒論を書くにしても、演習のためだとしてもこれからはどうにかそうした環境を創っておく必要があると考えています。で、現在、卒論のゼミ室として使っている共同会議室には、ノートパソコン7台(Macを入れれば8台ですが)、デスクトップパソコン1台とWi-Fiに繋がったレーザープリンター(複合機)1台とA4のインクジェット複合機1台を完備しています。パソコンは全部Windows10で、ハードディスクはSSDです。すべて研究費か自腹です!でもCPUがインテルのi5、125MbSSDくらいのスペックのノートパソコンだと高くても9万円はしません。安ければ片落ち品を6万円台くらいで買えます。そうやってコツコツ集めていった結果です。機種はデスクトップがエプソンダイレクト以外は、Lenovoか3台、マウスコンピュータが3台、東芝が1台です。それぞれに辞書ソフトを入れていますので(内容は秘密です!)、インターネットを一緒に自由に検索できるようにして、プリントアウトできるようにしています。

本当は、周りの棚をを関係する歴史の研究書で固めたい!願望ですね。それは、私らの時代は、付属図書館の閉架室に自由に入れて、自由に本をとってみることができた経験からです。史料も本も自由に手に取って、たくさん見たり読んだりすることができて、PCも自由に使えて、インターネットには当たり前に繋がっていて、溢れる情報を自分で整理しながら、自分の好きなことを調べていく、そしてそれを文章にする。そうした環境を、だから自分なりに整えています。研究に必要なのは、ある意味そうした「自由」だと思っています。文科省を先頭に、教育はこうあるべきだ、こうした方法を取り入れるべきだと頭から押しつけるのは結局、自分で考える自由を結果的に奪っているのだと思います。

なお、この部屋の棚は、以前にも紹介しましたように、今は、自腹で買った古文書と緒形拳さんの資料で占めています。だから、ここは資料整理の部屋でもあります。

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投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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