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あの手この手の授業 日本近世史基礎演習

あの手この手の授業…。近世史について勉強しようと思ったら、まずは近世の漢文が読めなければなりません。何度か言いましたが、近世の漢文は、簡略化された漢文で、和化漢文あるいは変体漢文などと言います。また、漢字に助詞・助動詞あるいは送り仮名として平仮名や片仮名が混じるようになりますので、仮名交じり文でもあります。これに返り点をつけて読むということは、つまりは漢文を和文に変換して読むということでもあります。これがすなわち、読み下しもしくは書き下しと言われるものです。だから、基本的に性格に返り点を打つことが出来なければ先には進めません。

ところが、これが以外と学生にとっては難しいのです。そもそも純正漢文自体が高校で習う必修科目ではなくなりましたし、いわゆる江戸言葉や侍言葉などを耳にする機会も減りました。そこで当時の言葉に慣れて欲しいということから「世事見聞録」を読んで、当時の言い回しになれてから、いざ近世の和化漢文へと思っていましたが、なかなかそう簡単ではなかったようです(^_^;)ここでは、教室を変え、車座になり、みんなで議論できる形にしました。

こんな感じで、プロジェクターを使って、レジュメとともに報告をさせます。今、読んでいるのは「新選組」に関する国立公文書館内閣文庫の史料です。何のことはない、現代教養の基礎教養科目「人文科学における歴史学」でも使っている史料です。

報告は2人ひと組で行ないます。返り点をつけた釈文をもとに書き下し文を読み、語句註を説明し、現代語訳をした上で、これに関連する事項について考察をします。まずは返り点がしっかりとつけられていなければ、基本的に読み下すことも出来ませんし、現代語訳も間違いだらけになります。基礎演習ではそこを鍛えるのですが、残念ながら、今日の2組はもう一度やり直しです。おいおいもう7月やぞ…(^_^;)授業もあと3回やぞ…(^_^;)うち1回は試験やぞ…(^_^;)自分の力のなさも痛感させられます。困った(>_<)

 

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投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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