本日9月6日の午前3時8分頃、北海道の胆振(いぶり)地方で、震度6弱の地震が発生したという。朝、起きてテレビを付けたら、さかんにニュースを流していました。えっ?北海道の西部地方って、前日に台風21号の余波を受けたんじゃなかったんですか?4日に四国から近畿地方を襲った巨大台風です。
複合災害…そんな言葉が頭をよぎりました。『日本国語大事典』や『広辞苑』などの辞典には出てこないので(ちょっと古い版でもありますので、最新のものには出ているかも知れません)、ネットで検索をかけてみたら『デジタル大辞泉』に「複数の現象がほぼ同時または時間を置いて発生することによって起こる災害。また、海面上昇・台風・集中豪雨といった気候の変動に、地震・津波・地盤沈下などの現象が重なって起こる災害をいう。 」とありました。さらに言えば、2011年3月11日の東日本大震災も、地震→津波→原子力発電事故の複合災害になります。
とくにそんな印象をもったのは、震源に近い厚真(あつま)町のこの地すべりの後を見たからでした。
(周辺の山一帯が土砂崩れを起こし、山肌が露出していた=2018年9月6日午前7時21分、北海道厚真町、朝日新聞社機から、山本壮一郎撮影 Yahoo!Japan ライブニュース 【ライブブログ】時系列で見る北海道地震より引用 https://news.yahoo.co.jp/story/1076)
山という山が残らず地すべりを起こしています。そのまだらになった惨状に失礼ですが、気持ち悪ささえ感じます。そこで、ふと、台風の影響もあったのではないかと思ったのですが、記事を読み進めていくと、「流動地すべり」という現象の可能性があって、やはり台風による被害が前提となった可能性もあるとのことでした。
これらはほぼ同時に起こったことですが、時間をおいて、というか年を経て関係する場合はどうだろうかと考えています。例えばここでもよく取り上げている元禄16年(1703)の小田原大地震と、宝永4年(1707)の富士山噴火との相互関係です。そうした複合災害の具体的な関連性については、意外ときちんと考察されていないような気がしています。とくに私の専門とする歴史学の分野においてです。立て続けに起こった災害がどのように関連して、どのような被害をもたらして、そしてそれに対して人々がどのように対応したのか、そうした視点で考えていくことも重要だなと思っています。
Twitterでこんなつぶやきを見つけました。
2011年の東日本大震災…3月9日:震度5弱-10日:震度4-11日:震度7(本震)。2016年の熊本地震…4月14日:震度6弱-15日:震度6強-16日:震度7(本震)。そして2018年の北海道地震…9月6日:震度6強-7日:?-8日:?(本震?)…本当に気を付けてください。
本当にこの後が心配ですね。考えてみれば、台風21号に直撃された大阪では、6月18日に震度6弱の地震が起こっていましたね。高槻市あたりを中心とする(仮称)大阪北部地震です。
卒論でも近年は災害史をやりたいという学生が増えています。だからこそ、複合災害…そういった視点を積極的に導入していかなければならないかなと痛感している次第です。
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