1月の備忘録 とくにAppleの試みについて


先にブログを書いたのが正月のことで、いつの間にか2月の声を聞いてしまいました。それにしても今年は寒いですね。日本海側は大雪のようで、9月には「歴史気候学」について少しブログを書きましたが、気候と人間、あるいは気候と社会というのはある種大きなテーマで、やはり歴史的にもきちんと実証していかなければならない課題です。しかも最近は地震も続いておりますし…。

この間、書きたいことはヤマほどあったのですが、そのヤマほどあるのがくせ者で、あれこれ考え過ぎてしまって、結局、書かずに終わることも多くなります。ずっと以前にもっと気楽に書こうと言ったんですがね…(^_^;)

ということで、今回は、1月に心に残ったこと、5件を駆け足で紹介したいと思います。

◎iphoneとMacBookAir

元旦に念願のiphone4sを買いました。ちょうど2年前元旦に機種変換をしましたからね。KDDI版のiphoneです。2日には毎年Appleが特売セールをやっていますので、AppleStoreでMacBookAirの13.3インチ版を購入しました。大散財です。まったくAppleの戦略にはまりまくりですが^_^;、やはり快適です。とくにiCloudは秀逸ですね。iphoneとipadとMacのすべてで予定表や電話帳(連絡先)、メモ、写真などすべて同期をとってくれますから、常に統一した環境で仕事や生活を続けていくことができます。携帯がなくなったらメアドや電話番号がわからなくなる…といった不安もなくなります。手帳もいらなくなりそうです。もちろん、数々のアプリについても紹介したいところですが、とにかくiphonを軸にMacとipadをシームレスで使えるようになってきたことは大きくて、どこにいても仕事ができるようになりました。これにDropboxとEvernoteを組み合わせれば、もうノマドの環境はバッチリです。

Macを使うと言ってもWindowsソフトの、とくに一太郎と桐は手放せませんから、まったくWindowsを捨てたわけではありません。私はMacにParallelsというWindows仮想化ソフトを入れてMac上でWindows環境をつくって使っています。ちなみにWindowsはXPです。軽くて安定していてやっぱり使いやすいです。それで一太郎や桐が何の問題もなく立ち上がることはもちろんのこと、MacとWindowsとの間でコピペなども自由ですし、両方をシームレスに往き来でき、これまた秀逸な環境です。ただし、Windowsからの印刷だけは制限があって細かな設定ができません。それだけですね、不満があるとすれば…。それにしても、MicrosoftのOfficeソフトもWindows版よりMac版の方がデザインもいいし、使いやすい。PowerPointなどはとくにそうです。これは何なのでしょうね。

◎成人式

これまた私事ですが、下の女が成人式を迎えました。何ともはや、子供の成長というのは早いもので、うれしいやら寂しいやらです。それにしても、女の子というのは、着物の手配から着付け、髪飾り、果ては同窓会用のドレスの準備といろいろかかるものです(^^ゞ

髪飾りに関しては、かみさんがお花を習っている関係から、その先生のお店、厚木にある花美というお花屋さんで髪飾りのお花を用意していただきました。着物、洋服、その人の印象から花を選ぶ。改めてお花の世界は深いなと思いました。なかなか豪快で素敵なお花を生ける先生です。

さて、娘を成人式の会場に送ると、会場の外にはたくさんの「成人」たちであふれていました。毎年、成人式については各地でいろんな問題が起こっています。外にあふれた成人たちを見るとまぁ〜派手なこと!男は白い袴に色とりどりの頭、女性は倖田來未さんの影響でしょうか、肩をはだけた着物が目立ちます。それでもたいしたことではないのでしょうが、「酒および模造刀の持ち込みを禁止します」の立て看板にちょっと悲しくなりました。説経臭くはなりたくないですが、やはり君たちはこれからの世界を背負っていくのだからね、と言いたくなってしまいます。私も歳をとったのでしょうかね。

 

◎フードツーリズム研究所の新年会

以前から懇意にしている本学海洋学部の新田時也先生がフードツーリズム研究所というNPO法人を立ち上げ、その新年会を1月14日に静岡の蒲原で開くので参加しないかというお誘いをいただいたので、かみさんと一緒に行ってきました。詳しくはフードツーリズム研究所のHPをみていただきたいのですが、「地域の食文化を、「こころ」と「からだ」で触れることができる体験型のイベントを提供することで、まちづくり・食育・経済活性化に貢献」することを目的としたNPOです。タケノコ掘りとか塩作りとか、とにかく、「食」に関する具体的で多様な活動を通して、新たな地域社会のあり方やコミュニケーションのあり方を考えていこうということのようです。ここでも「歴史」というのは、大きなファクターになります。それにしても参加した方々の多彩さにびっくりして、とにもかくにも大いに刺激を受けました。これも詳しくは新田先生のブログにてご覧ください。許可を受けましたので、記念写真をここでもアップしておきます。

翌日には沼津にある妙海寺という日蓮宗のお寺に墓参りをするために沼津に泊まりました。駿河湾に沈む夕日とその夕日に照らされる沼津の町並みがとてもきれいで印象的でしたね。久しぶりに訪れた沼津港は、飲食街が大きく様変わりしていてびっくりしました。でも、大好きな卵焼き屋さんは健在で、今日も元気におっきな卵焼きを焼いていらっしゃいました。卵焼きはとにかく強火でガツッっと焼くこと!というアドバイスをいただきした。なるほど、いや、勉強になりました。これも撮影の許可を得ましたのでアップしておきます。

◎ibook2  iBooksAuthor  そしてiTunes-U   Appleの新たな試み

1月19日、AppleがiOS用の電子書籍閲覧ソフトであるiBooksをiBooks2にバージョンアップするとともに、ipad用の教科書作成ソフトのiBooksAuthor、そして全世界の大学や専門研究機関で公開されている講義のビデオやレジュメなどを集めていつでも閲覧できるようにしたり、自分自身もこうした素材をアップできるようにしたソフトiTunes-Uといった新たな製品群を発表しました。なんといずれも無料です。日本ではiphoneやipadの時のような大きなニュースにはなりませんでしたが、これは畏るべき発表です。すでにその意義については、例えば林伸夫氏が「誰でも電子ブック、電子書籍が作れる時代に」という題で一文を寄せられています。電子ブック(書籍)に関してはこのブログでも主要な課題として触れてきましたが、また新たな時代があけようとしていることは確かだと思っています。早速、iBooks2、iBooksAuthor、iTunes-Uをダウンロードしてみました。

Appleの創始者Steve Jobsは生前、Microsoftの創立者Bill Gatesと、PCが教育に与えた影響は驚くべきほど小さいということで意気投合したとのことですが、確かにその通りだと思います。PCの操作の仕方を覚えたり、Wordで文章を書いたり、Excelで計算したり表を作ったり、あるいはPowerPointでプレゼンテーションができたとしてもそれはあくまでもコンピュータ・リテラシーの問題であって、「教育」の内容そのものに直結したものではありません。Appleのフィル・シラー プロダクトマーケティング担当上級副社長は、これらのプレゼンテーションで「われわれは教科書を再発明(Reinventing Textbooks)するとともに、カリキュラムについても(iTunes Uで)再発明した」と述べています。「再発明」はJobsが好んで使った、Appleの製品開発に関する姿勢を明示するキーワードになっています。iphone発表の場でのJobsのプレゼンテーションはあまりにも有名ですよね。

iBooksAuthorは、ipad専用であるという制限はあるものの、テンプレートに従って作成していけば、誰でも図版や写真や動画が入った「教科書」を簡単に作成することができます。配布されているサンプルを見ても、その可能性の大きさに感動します。アメリカではすでにいくつもの出版社が電子教科書の出版を計画しているということですが、さて、いろんな利害が複雑に重なっていて、こうしたことへの着手が遅い我が国ではどうなりますことやら。また、自分で教科書を作成するといっても、例えば私が専門とする江戸時代の歴史では、載せたい画像や写真があったとしても所蔵権や著作権の問題があってビジュアルなものを作るにはかなりの制限があるでしょうねぇ。ここのところ、こうした権利については、とくに厳しくシビアになってきていて、いわゆるパブリシーの難しさを感じます。当然、「個人」でやることの限界性は感じますが、それだけに可能性も感じている次第です。

iTunes-Uはさらに驚きの体験をもたらすアプリでした!何せ世界中の著名な講義のカリキュラムやビデオやらを居ながらにして観ることができるのです。iTunes-Uをインストールすると、本棚が出てきて、ここから「カタログ」をタッチすると、おすすめやチャートあるいはカテゴリーから興味のありそうな分野を探します。私はカテゴリの中の「歴史」(ほかにもビジネスやら工学、美術、医学などいろんなカテゴリーが並んでいます)を選んで、そのトップコレクションから東京大学の学術俯瞰講義の中で、「歴史とは何か」の全13回の講義、同じく東京大学の公開講座で加藤陽子先生の「近代日本と軍事力ー歴史に学ぶ」、駒場祭公開講座の中から御厨貴先生の「オーラルヒストリーとは何か」の3つのビデオをダウンロードしました。iTunes-Uさえ入っていれば、iphoneかipadか、いずれかでダウンロードすると両方に同期してくれます。どちらからでもいつでも観ることができるのです。もちろんAppleTVを使えば、大画面のテレビに映し出すこともできます。いや〜すごいですね。入院したらじっくり観てみようと思っています。居ながらにして自由に…。これは本当にすごいことです。

確かにAppleは、テクノロジーによって「教育」を再発明しようとしているようです。

◎相武地域史研究会

相武地域史研究会は、2009年に本学歴史学科日本史専攻と横浜開港資料館、横浜市歴史博物館が主催して開催したシンポジウムの準備のために設立された研究会です。2009年は、安政6年(1859)に横浜が開港してから150年の節目にあたる年でした。「相武」は相模国と武蔵国(3郡)のことで、要は現在の神奈川県を構成している江戸時代以前の旧国名ということになります。この「相武」が、概念的にも、いわゆる「地域史」研究の核となるのですね。研究会は横浜開港資料館の西川武臣さんの発案で、ただシンポジウムを開催するだけではなく、恒常的に交流を持って勉強できる会にしようということで、以来、定期的に研究会を開催してきました。メンバーには、横浜開港資料館、横浜市歴史博物館のほか、平塚市博物館や箱根町郷土資料館、横須賀市史編さん室などから中堅から若手の研究者に参加していただいています。大学が地域のミュージアムなどと結びながら地域の歴史を掘り起こし、それを一般の方々に広く還元していこうという新たな試みです。こういった設立の経緯については、『地方史研究』339号(2009年6月)で紹介しています。ちなみに2013年には、明治維新と相武地域ついて2回目のシンポジウムを開催する予定になっています。今後の展開が楽しみなのですが、1月28日には、横浜都市発展記念館の吉崎雅規さんに「御殿山外国公使館の選定経緯について」という題で報告していただきました。開国して外国人公使が江戸に公使館を設立する経緯について幕府側から検証した研究です。病気のために長らく欠席していましたから、久しぶりだったということもありましたが、何より報告の中身が興味深くて、またまた新たな刺激を受けました。次回は、3月に私が「幕末維新期の東海道−大磯宿を中心に−」というタイトルで報告しようと思っています。『大磯町史』時代の遺産ですが、とりあえず、入院中にはまとめたいと思っています。

◎新たな風と期待

1月に心に残った5件の出来事について駆け足で紹介してきました。このサイトを開催した目的の一つは、電子書籍によって史料を翻刻して公開するということでしたが、Appleの教科書作成の試みといい、EPUB3.0形式の電子書籍が一太郎承の発売によって手軽に作成できて公開できるようになることいい、確かに新たな風が吹いてきたことを感じます。そんな中で自分がこれから何をしたいのか、ようやく本当のところが見えてきたような気がしています。まだお話しできる段階ではないので、またはっきりしたらお話ししようと思います。

馬場弘臣 のプロフィール写真
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