【史料学11】年代表記と年代コード(応用編)


はじめに断っておきますが、ここでいう年代コードはあくまでも近世―江戸時代を基準としたものです。とはいえ、基本的な考え方は一緒ですので、近世以前でも近現代でもそのまま応用できます。近現代は閏月などありませんので、かえって使いやすいかも知れないですね。ただ、年号コードはあくまでも元号を基準としますから、西暦を基準とすることが多くなった現代ではその点について戸惑いがあるかも知れません。

さて、応用編といってもそう大げさなものではありません(^_^;)前回は年代コードの基本的な考え方についてレクチャーしてみました。復習してみますと、

(1)年号・月・日までがわかっているもの。

(2)年号・月までわかっているもの。

(3)年号だけしかわからないのもの。

(4)年月日不明のもの。

・閏月は通常月の後にくるようにする。

・改元の年は、改元前の年号と改元後の年号が混在しないようにする。

ということでした。これを実現するために年号(西暦+1=5桁)と月(月+1=3桁)と日(日+1=3桁)のコード合体して、合計11桁のコードを使って並び替えるようにします。次のような数式?!でしたね。

○○○○0(または1,5,6)+○○0(または1,5,6)+○○0

各コードの最後の桁を操作することで並び替えを行なおうということです。

◎年月日が推測の場合

史料を整理していると年代は確定できないのだけれど、この年だろうとか、この頃とかいった推測でしか表現できないことがあります。ほぼ確実なんだけど、断定は避けておきたいということもあります。そういったときにどうするか?

先の年代コードでは、年代の1桁目を0または1または5、6としていますね。つまりこの1桁目を操作することで推測も表現してしまおうということです。例えば、○○年カであれば2、○○年頃は3、元号の変わり目であったら○○年カは6、○○年頃は7という風に決めてしまうのです。

月も同じです。○○月カであれば2、○○月頃であれば3、閏月の場合は閏○○月カは5、○○月頃は6と決めておきます。日は○○日カは2、○○日は3とします。そうしますとこんな感じになります。

・元治2年2月2日   →18650020020

・元治2年2月2日カ  →18650020022

・元治2年2月2日頃  →18650020023

・元治2年2月     →18650021000

・元治2年2月カ    →18650022000

・元治2年2月頃    →18650023000

・元治2年4月6日   →18650040060

・元治2年4月6日カ  →18650040062

・元治2年4月6日頃  →18650040063

・元治2年4月              →18650041000

・元治2年4月カ           →18650042000

・元治2年4月頃           →18650043000

・元治2年                     →10651000000

・元治2年カ                  →10652000000

・元治2年頃                 →10653000000

・慶応元年4月             →18655041000

・慶応元年4月カ            →18655042000

・慶応元年4月頃            →18655043000

・慶応元年5月5日        →18655050050

・慶応元年5月5日カ       →18655050051

・慶応元年5月5日頃      →18655050052

・慶応元年5月             →18655051000

・慶応元年5月カ            →18655052000

・慶応元年5月頃            →18655053000

・慶応元年閏5月5日    →18655055050

・慶応元年閏5月5日カ   →18655055051

・慶応元年閏5月5日頃   →18655055052

・慶応元年閏5月        →18655056000

・慶応元年閏5月        →18655057000

・慶応元年閏5月        →18655058000

・慶応元年                  →18656000000

・慶応元年                  →18657000000

・慶応元年                  →18658000000

このように年号コード、月コード、日コードのそれぞれ1桁目を操作することによって多様な年代の並び替えに対応できるわけです。だから例えば任意でこの史料は同じ年月日でも最後に持ってきたいといったことがあれば、日の1桁目を1とかに変えてやれば同じ年月日でも最後に来ます。ただし、○○カや○○頃といった表記を増やしすぎると収拾が付かなくなってしまう恐れがあります。○○年代といった表現も可能ですからね。私はもうここは割り切って○○カだけにすることにしています。それでもちょっと考慮が必要なのが「年度」です。江戸時代にはありませんが、近現代にはそれこそ年度しか割らないものもありますよね。もちろん本来ならば年度は3月末までを示すのですが、そのままでやれば例えば昭和33年3月の後に昭和32年度が来るといった自体にもなってしまいます。これはやはり昭和32年の最後に昭和32年度を持ってきた方がきれいでしょう。

 

◎十干十二支と十二支その他

さて次に史料で確認できる年代が十干十二支だけの場合、あるいは十二時だけの場合、または年月日だけ、月だけ、日だけはどうするのかという問題があります。この場合まずは年号コードの部分を十干十二支がわかる場合、十二支がわかる場合、月日以降のみがわかる場合、全く不明の場合の4種類に分けて、それぞれ(1)十干十二支だけの場合は30000、(2)十二支の場合は40000、(3)月日以降のみがわかる場合は50000、(4)全く不明の場合は60000と決めます。その上で、(1)十干十二支だけの場合は甲子から癸亥まで60種類あるわけですから、甲子を30010とすることからはじめて、癸亥が30600になるまで順番に番号をつけていきます。(2)十二支の場合は、子からはじまって亥まで12種類あるのですから、40010~40120までを割り付けます。十干十二支の場合も十二支の場合も月と日については、月コード、日コードをそのまま使います。(3)月日だけ、あるいは月だけの場合は、年号コードが50000となるだけで、やはり月日以下の考え方は一緒です。そしてすべての年月日がわからなかったら、60000000000とします。こんな感じです。

・甲子3月2日  →30010030020

・甲子3月    →30010031000

・甲子     →30011000000

・癸亥3月2日  →30600030020

・癸亥3月    →30600031000

・癸亥     →30601000000

・子3月2日   →40010030020

・子3月     →40010031000

・子閏3月    →40010032000

・子      →40011000000

・亥3月2日   →40120030020

・亥3月     →40120031000

・3月2日    →50000030020

・3月      →50000031000

・年月日不詳  →60000000000

おわかりいただけましたでしょうか?でも、十干十二支を60通り数えるのはたいへんですよね。それ以上に年号コードをつけていく場合、和暦を西暦にしなければなりませんので、それを1つ1つ確認していくのはもっとたいへんですよね。どうしたらもっと手軽に効率的に入力できるでしょうか?

◎年代コードの自動入力

はい、もちろんそのためにコンピュータを利用するのです!それはどうやればいいのか?結論から言えば、私が使っているデータベースソフト「桐」では「表引き」という機能を使います。表計算ソフトExcelであればVLOOKUPという関数を使います。Accessでは…使ったことがないのでわかりません(^_^;)

いずれにしても要点は、年号と月と月を別々のセルに入力することです。これが一番肝心です。目録だからといって、従来の紙の印刷物のように一つの枠(セル)の中に「慶応2.3.2」とか書いてしまう場合がよくありますが、これではせっかくコンピュータを使う意味がありません。

ということで、長くなりましたので、詳しくはまた、次回に続きたいと思います。

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