【告知】湘南キャンパス開設50周年記念展示を開催します!


19日の土曜日は、おかげさまで無事に相武地域史研究会第2回シンポジウム「維新の動乱と神奈川—道と海の視点から」が開催されました。日曜日は大雨でしたが、これまたおかげさまで雨が降ることもなく、さらに、またまたおかげさまで当日は思いの外たくさんの方にご参加いただきました。アンケートを配った分が127枚で、記名していない学生や大学院生などを含めた関係者を入れると140名から150名ほどになったそうです。地域を対象にしたシンポジウムで、それほど威勢のいい話をするわけでもなく、しかも遠路ですから…(^_^;)足をお運びいただいた方にこの場をお借りしまして、改めて深く感謝申し上げたいと思います。

当日は、文久3年(1863)の将軍家茂の上洛から長州征伐のための御進発、官軍の東征、明治天皇の東幸について、助郷役などの交通夫役負担の実態や、とくに家茂の上洛は2往復のうち3回は軍艦を使っていますから、浦賀港の軍港化にともなう負担の問題などをはじめとして、「見せる将軍」「見せる天皇」の具体的な様相、そして幕末に顕著に表れる「御国恩」意識について、近代の「国家」まで含めて、さかんに議論が交わされました。今回は試みに会場からの意見を受け付けたのですが、ただ、結構、相武地域史研究会のメンバーに発言を求めたりしましたので、内容的にはちょっと難しかったかもしれません。アンケートではそういった意見も散見されたとのことでした。アカデミックな議論であっても一般の方にも興味を持ってもらえるように、これからも努力が求められるところです。

さて、ここから東海大学学園史資料センターからのお知らせです。

既報の通り、東海大学の湘南キャンパスは今年、2013年は開設から50年の節目を迎えます。そこでこれを記念した展示会を、「湘南校舎開設50周年記念事業」の一環として開催します。記念事業そのものは学長室企画課の企画で、といっても開設50周年記念展示はこれに関係なく、昨年度から予定しているものでした。でも、おかげさまで少しだけ規模が大きくなりました。また、単独開催だったものが湘南校舎開設50周年記念実行委員会、松前記念館、付属図書館中央図書館、教育研究所、第13回ホームカミングデー実行委員会との共催ということになりました。

ただし、学園史資料センターはそもそも展示会場を持っていませんので、3つの展示場で開催することになっています。

第1会場は、湘南校舎松前記念館のロビーで、ここでは建学祭の期間、11月1日(金)から3日(日)まで「松前重義と山田守」展を開催します。松前記念館ではすでに別の展示を開催していますので、ここはロビーの一角を建学祭期間中だけお借りしてのミニ展示です。このblogでも何度か紹介しましたが、湘南キャンパスは、松前の逓信省時代からの盟友で、日本武道館や京都タワーの設計でも知られる建築家の山田守でした。当時山田は、理事を務める一方、工学部建築学科の主任教授を務めていました。松前は、設計のすべてを山田に一任していたそうで、山田も手弁当で設計にあたったと聞いています。

湘南キャンパスは、当時、「東洋一のキャンパス」を目指していました。遙か西に富士山を望む富士見通りと、金目川に向けて真っ直ぐ東に延びる中央通りをTの字型に配したグランドデザインは正に先駆的な試みでした。近代建築家のパイオニアとしての山田の校舎デザインもまた、どれも個性あふれる建築物です。そう、既存の概念にとらわれない「個性」こそ湘南キャンパスのもっとも大きな特徴でしょう。

第2会場は、付属図書館中央図書館11号館分館展示室(長い!^_^;)で、こちらがメイン会場です。タイトルは「キャンパスに描いた夢—湘南の半世紀—」。ここではキャンパスの建築、学生生活、そして教育と研究の軌跡の3つをテーマに、50年の歴史をふり返ります。ふり返るとはいっても、ここも会場が狭いので、紹介します!といった方が的確かもしれません。本当は時代を追っていけるような展示をしたいところですが、資料的な制約もあって、これがなかなか難しいのです。ただ、キャンパスは創立者の夢や希望はもちろんのこと、何よりここで学んだ学生、それを支えた教職員すべての夢や希望、そして苦悩や悲哀なども含めて月日を刻んできたのだということを、本当は伝えたいのですがねぇ。その時代時代のみんなが主役なのです。期間は11月29日(火)から11月29日(金)までの約ひと月です。下がこの会場のチラシです。クリックしてご覧下さい。

展示会「キャンパスに描いた夢」チラシ_ページ_1展示会「キャンパスに描いた夢」チラシ_ページ_2

 

 

 

 

 

 

 

第3会場は、東海大学前駅の前にある東海大学サテライトオフィスで、「昭和の情景〜湘南キャンパスのできた頃〜」展を開催します。サテライトオフィスでは春と秋に定期的に学園史資料センターの展示会をやっていて、これは「東海大学の歴史を探る」シリーズの第14回目にもあたります。期間は10月29日(火)から11月4日(月)までです。ここでは湘南キャンパスができた頃の周辺地域の様子を写真パネルで紹介したいと思います。結構、古くておもしろい写真が見つかりましたので、乞うご期待です。また、この展示では私が集めたホーロー看板もいくつか並べる予定です。こちらも乞うご期待です。下がこのチラシです。

昭和の情景チラシ1

昭和の情景チラシ2

 

 

 

 

 

 

 

全体としてみれば、第1会場が「人物」を、第2会場が「歴史」を、第3会場が「地域」を扱った展示というコンセプトになっています。お近くにお住まいの方、また建学祭にお越しの方はぜひ会場まで足をお運び下さい。

馬場弘臣 のプロフィール写真
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