京都大学大学文書館再訪


8月もいつの間にか半ばを過ぎました。大学の一斉休暇ももうすぐ終わりです。大輪のひまわりに盛夏を感じつつも、秋に向かっていろいろと準備を始めなければなりません。

IMG_2990IMG_2995

さて、8月の7日(木)と8日(金)の両日、出張で京都大学に行ってきました。3月の18日(火)と19日(水)に京都大学の大学文書館と大阪大学アーカイブズを視察したことはこのblogでも報告しました。視察の目的は、国立大学で言うところの「法人文書」、私立大学で言えば「業務文書」などと呼ばれる書類をどのようにこうした施設に運んで整理して保存していくかという、いわゆる大学におけるアーカイブズの具体的な方法について学ぶことです。春の視察では、京都大学と大阪大学にそれぞれ方法を伺いました。今回の目的は、京都大学の大学文書館が各部局からこうした法人文書を移管している最中というので、その現場を見たいということと、文書館に移管される前の部局での準備について具体的に伺いたいということでした。

大学に限らず、それは自治体でも企業でも同じなのですが、組織は組織の未来のためにその歩みを証明する記録や文書、書類をきちんと残していくことが必要だと考えます。これがアーカイブズで、そのための施設もアーカイブズ(archives)といいます。欧米では図書館(library)や博物館(museum)とならぶ文化施設です。

各組織で作成される文書や書類は永久に保存すべきものと考えられるもの以外は、一定の年限を定めて廃棄されます。それらの中から学校や自治体、企業などの組織の歴史を残していくために必要だと思われるものを取捨選択して保存していくのがアーカイブズの仕事ということになります。施設としてのアーカイブズでは、その取捨選択を含めて移管された記録や文書を整理し、目録(リスト化)を作成した上で公開して一般に活用できるようにします。ここが重要なことですが、アーカイブズに集められたものは基本的に公開して活用できるようにするのが仕事なのです。これらの一連の作業をアーカイブズ・マネジメントと呼びます。ただ、例えば目録を作成するといっても組織が大きくなればなるほど、それは並大抵の仕事ではなくなります。また、各組織から移管される書類や文書がバラバラだったらこれまたたいへんです。業務を円滑に進めていくためにも各組織では記録や書類をファイルすることが一般的になります。これをファイリングシステムといいます。また、このファイリングシステムを含めた、アーカイブズに移管されるまでの文書管理・書類管理のことをドキュメント・マネジメントないしはレコード・マネジメントと呼びます。詰まるところ、このドキュメント・マネジメント(レコード・マネジメント)とアーカイブズ・マネジメントがしっかりと連動して機能していることが何より大事なことなのです。京都大学はどこよりも、おそらく欧米の大学と比較してもこうしたシステムがもっともしっかりした組織だと思います。ですから何度も視察をして、いろんなことを聞いてみたい見てみたいと思うのでした。

今回も大学文書館教授の西山伸さんには本当にお世話になりました。とくに今回は、総務掛長にも声をかけていただきましたので、このファイリングの具体的な方法や問題点について具体的に話を聞くことができました。移管作業とともにこれが今回の視察の一番の目的でした。また、京都大学大学文書館ではこれから資料の管理にバーコードシステムを導入するということですので、これについても詳しく話を聞くことができました。これは助教の坂口さんにたいへんお世話になりました。今回もまた、どれもこれも目から鱗が落ちる思いで、本当に勉強になることばかりでした。それにしても移管された約2万4000冊のファイルは壮観でした。なお、ファイルは基本的に「ドッジファイル」という事務用品が使われています。一般に市販されているものです。

IMG_0054IMG_0074

今回の視察では、せっかくですから京都大学総合博物館の視察も行なってきました。春に大阪大学アーカイブズを視察した際には、豊中キャンパスにある博物館も見学したと書きましたが、前回は京都大学の博物館を見学する時間がありませんでしたので、改めて視察した次第です。とはいえ、私自身は2004年でしたか、全国大学史資料協議会の全国研究会が京都大学で開催された際に見学していたはずなのですが、もうほとんど忘れていました…(^_^;)

IMG_3009IMG_0022

IMG_0018IMG_0030

こちらもなかなか立派です。本当にうらやましい限りです。

最後に京都タワーの昼の表情と夜の表情を紹介します。京都タワーが東海大学の各校舎の設計者である山田守によって設計されたことは以前にも触れたとおりです。それにしてもライトアップされた夜の京都タワーは、幻想的でなかなかきれいでした。

IMG_0046IMG_3025

 

 

 

 

 

 

 

馬場弘臣 のプロフィール写真
カテゴリー: 史料学研究, 歴史コラム パーマリンク

京都大学大学文書館再訪 への3件のフィードバック

  1. 児島 聡 のコメント:

    むむむ。かの京都大学の大学文書館に潜入されたのですね。興味深いです!今度いろいろ情報交換させて下さいませ。o(^^)o

    • 馬場弘臣 のプロフィール写真 馬場弘臣 のコメント:

      児島さん、ご無沙汰しております。コメントありがとうございますm(_ _)m
      そうなんですよ、通い詰めております!京都大学の大学文書館。再利用とはいえ、施設も整っていますし、何よりシステムがすごいです。また情報交換しましょう!ぜひ!!よろしくお願いします!!!

  2. 児島 聡 のコメント:

    わーい、うれしいですっ!わくわくしちゃいますね。(^^)b
    先生もお忙しいでしょうが、近々伺う際にでも、どうぞよろしくお願い致します。
    夏も後半戦ですが、バテないようにお過ごし下さいませ。そういえば、例のダブルフラップフォルダですが、印刷博物館図書館でもご愛用頂いておりまして、先方のご要望でこのたびバインダーでなく専用パンフレットボックスを安田が開発しました。スマファイのブログ、「脳のファイリング・ラボ ブログ」[ http://www.trcc.jp/wordpress/ ]を覗いてみて下さい!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*