【徒然】仇ゆめの…仇ゆめの…。勘九郎、七之助新緑特別公演2015


おかげさまでと申しますか、2010年に刊行した『幕末風聞集』も在庫が一掃されました。というと聞こえがいいのですが、100部限定でしたので、そうたいした話ではありません(^_^;)それでも、一つ二つと連絡があって、何となくはけてしまいました。ありがとうございました。欲しいと言ってくださった方に対して、何らかのお役に立てたのなら、これ以上の喜びはありません。

さて、昨日は、下の娘と一緒に、文京シビックホールに「中村勘九郎 中村七之助新緑特別公演2015」を観てきました。文京シビックホールは、2000年に建築された比較的新しい多目的ホールで、このこけら落としに公演されたのがお二人のお父様、中村勘三郎さんだということでした。今回はお二人に板東慎吾さんを加えた3人の「芸談」に「車引き」そして北條秀司原作「仇ゆめ」が上演されたのでした。

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仇ゆめが17代目勘三郎と西川鯉三郎のために書かれた演目で、18代目勘三郎も得意演目としていたいことは、このblogでも少し書かせていただきました。18代目がなくなられた際のblogです。詳しくはそちらをご覧いただきたいのですが、もともと舞踊劇として書かれた仇ゆめは、それだけに舞がうまくなければなかなか難しい演目です。そして北條芝居らしく、滑稽な

おかしさの中と恋の儚さ悲しさを、その落差をうまく表現しなければなりませんので、たいへんかと思います。「芸談」では質問コーナーがあったので、その点を聞きたくて手を挙げたのですが、残念ながら機会がありませんでした。

パンフレットを見ますと、振り付けは西川右近先生でした。考えてみれば、さもありなんです。右近先生には、このblogにもお便りをいただきまして、今回の公演についてもご紹介いただいておりました。

芝居のことは相変わらず審美眼に欠けていますが、勘九郎さんの「狸」役には、お父様が演じられた面影が色濃い感じがして…、でも、自分なりのオリジナルを入れていこうという姿勢も明らかでした。勘九郎さんは、表情も声も勘三郎さんにだんだんにてきていらっしゃるような気がしています。仇ゆめは、踊りや表情で滑稽な味を出していくことが求められますから、これからもっともっと勘九郎さんの味が出てくるのではないかと思います。

勘三郎さんが演じられていた頃は、どうしても勘三郎さんばかりに目がいってしまっていたのですが、今回は七之助さんの深雪太夫にもかなり目がいって、ダブル主演なのだと改めて思った次第です。それが今回の一番の着目点かも知れません。いずれにしても、七之助さんの女形は相変わらず美しい…と、娘がうっとりしていました。

それにしても、購入したパンフレットはちょっと校正ミスが多くて…、公演の日付は全部「火曜日」になっていましたし(^_^;)、北條先生も「北條」と「北条」の2種類の表記があったり、仇ゆめも「仇夢」という文字が使われていたり…。いや〜、私もミスが多くて、でも、出す以上はちゃんとしなければならないなと改めて思った次第です。

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明日は、劇団若獅子の「おたふく物語」を観に行きます。

馬場弘臣 のプロフィール写真
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