哀雨に煙る熊本城…水前寺公園…


3日から福岡の実家に帰省しています。今回の帰省は、母の顔を見ることと、できれば熊本のようすを見てみたいとことでした。4月の熊本大震災については、このBlogでも触れて、震災前に撮りためていた写真のいくつかをアップしておきました

ただ、台風12号が近づいているということで、さて、どうしたものか思案していたのですが、甥っ子が「この調子じゃと明日行った方がよかとじゃなか」と言うもんで、しかも、夜が明けても雨も降っていませんでしたので、せめて熊本城付近だけでもと思い、妹と姪っ子と姪っ子の子と出かけることにしました。「百聞は一見にしかず」。何はともあれ、今回は文章よりも写真をたくさんみていただきたいと思います。

熊本市内に入って驚いたのは、大きな道路沿いの町並みではそんなにわからないのですが、その向こうには、青いビニールシートを被った家があちらこちらにみられることでした。ビニールシートすらない家もあります。墓石が倒れた墓地もたくさんありました。

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車の車窓からもあちらこちらにこういった風景を見ることができます。熊本キャンパスに勤める先生が「言い過ぎかも知れませんが、熊本は壊れてしまいました」とメールで言っていらっしゃいましたが、あながちオーバーとは言えません。ここはまだ市内で、益城地方などは想像だにできません。

熊本城は、もちろん城内に入ることはできませんが、周りから見学することは自由です。でも、桜の馬場 城彩苑という土産処も少し淋しげでした。さらに、そこから登った駐車場の土産物売り場の風景は…

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瓦屋根はやはり地震に弱いようです。街中でも壊れた家はやはり瓦屋根のようでした。余談ですが、ここで韓国からの旅行者の家族に、この雨はにわか雨か?これから別府に行くのだけれど、大丈夫か?別府には高千穂を回ってから行きたい…。と、尋ねられました。これには、台風が来ているから、とにかく早く行った方がいいよ。高千穂、別府は九州でも東の方だから、台風が西にそれれば比較的大丈夫だけれど。と言った話をしました。話しかけてくれた若い彼は片言の日本語で、もちろん、私は韓国語など話せません。でも、大丈夫なのです。お互いにスマホのグーグル翻訳を使って会話をしました。翻訳には、なるべく文章を短く切るのがコツです!

◎さて、熊本城です…

未申櫓から戌亥櫓に廻ってみます。

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テレビで見た風景です。桜の馬場 城彩苑でもらった熊本城のパンフレットに載せてあった熊本城の被害状況と全く変わっていません。でも、宇土櫓は、石垣も櫓も基本的は壊れていませんでした。宇土櫓は築城当時に建てられたと言われており、だから、優に400年は経っています。その見事は石垣は加藤清正の傑作とのこと。今は重要文化財に指定されていますが、さすがにその名に値する建造物です。何せ櫓と言っても中位クラスの大名であれば天守閣と言ってもおかしくありません。

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でも、あちらこちらの白壁が剥がれていて、石垣の上の塀も壊れています。係員の方と少し話をしたのですが、戌亥櫓の石垣は平成15年の修復で組み直したもので、現代建築が無残に崩れているのに、400年前の石垣がびくともしていない。どちらが優れているのか…とのことでした。そして大天守に小天守ですが…。

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望遠レンズで眺めた風景は残念というか悲惨というか…。そうだ、テレビでよくやっていた飯田櫓はどうなっているんだろう。一列の石垣で支えている櫓です。係員さんのお話では、ちょうど加藤神社とは反対の方向にあって、今は木が繁っているので遠方からはほとんどみることはできない。ただ、市役所の14階に展望台があって、そこから熊本城が一望できるから言ってご覧なさい、とのことでした。せっかくですから、行ってみました。日曜日ですが、展望台はオープンしていました。ただ、市役所の1階の窓ガラスは破れていて、それが衝撃の大きさを物語っています。さらに14階では、壊れた自宅の保障に関する申請が行なわれていました。本当に皆さんたいへんです。

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飯田櫓はテレビで報じていたとおり、支えのための工事が行なわれていました。係員さんのお話では、城内にはこうした状態の櫓が5か所もあるそうです。本当に全面的な修復にはどれだけかかることか…。もし、機会があったら、市役所の展望台にも訪れてみたください。

◎水前寺公園も雨…

細川家の庭園である水前寺成趣園…。訪れたのは本当に何年ぶりのことでしょうか?報道では水が湧き出なくなって、池が涸れたとのことでしたね。水は戻ったとのことですが、果たしてどうなのか?自分の目で確かめたかったのでした。

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あぁ~こんな感じだったか…と、感慨ひとしおでした。水前寺公園は、熊本藩主細川家の庭園で、東海道五十三次を模した回遊式の大きな庭園です。回遊式というのは、要は座って眺める庭園ではなく、自分で眺めて廻る庭園ということですね。だから、一番高い小山が富士山です。形もそうですね。

ところで、本来はこの参道には大きな鳥居が立っていたはずですが、なくなっています。実は熊本キャンパスの先生から、震災後に鳥居と石灯籠が壊れた写真を送っていただきました。実際に見てみると実感せざるを得ません。ただし、水は満々とあって少し安心しました。ここの出水(いずみ)神社は本殿・拝殿の修復が行なわれていましたが、震災で壊れたわけではなさそうです。

最後にiPhoneで撮影したパノラマ写真を載せておきます。それから2枚前の写真の、左下に一輪だけ彼岸花が咲いているのがわかりますでしょうか?秋はもう間近です。

馬場弘臣 のプロフィール写真
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