昨日、21日は、厚木市郷土資料館の運営評議会でした。主には本年度の活動報告と次年度の計画なのですが、厚木市では今ある郷土資料館を新たに建て直す計画があって、当然ながら、主な審議はそこに集中しました。現在の資料館は、本厚木駅から15分ほどの場所にあって、便利なのは便利ですが、もともと寿町図書館という厚木市の図書館の支所だった場所です。当然ながら、展示や史資料の保存・管理には適していません。しかも厚木市郷土資料館は、人文系と自然系の併合施設ですから。
ただ、新しく建設される場所は「下川入」といって、本厚木駅からは車で25分くらい、路線バスだと30分くらいかかります。しかもバスは1時間に1本とのこと(^_^;)中津川と相模川に囲まれた自然的にはすごく恵まれた場所なのですが…。県立青少年自然の家の跡地ですから、面積は広いので、どうやったら資料館にも来てもらえるかというのが、最大の課題です。まぁ~即効性があるのは駐車場だと思います。そんなこんなでみんなで知恵を出し合うというのが昨日の会議の大きな目的になっていました。
今のところ、着工は今年の秋で、再来年度2019年度の2月、ですから正確には2020年の2月に完成の予定です。すでに神奈川新聞等にも完成想像図が出ていました。こんな感じだそうです。
委員のお一人が言っていらっしゃいましたが、少子高齢化と過疎化の急速な進展、そして自治体の財源の大幅な減少によって、公立の博物館、資料館であっても閉鎖される事例が急増しています。文化施設は基本的には利益を生み出しませんので、維持管理だけでもたいへんになっていきます。ずっと以前から計画されていて、長年にわたって審議されてきたことであるとは言え、こうして新たに資料館を建てる。まだ、正式名称として「厚木市郷土資料館」となるのかどうか決まっていませんが。こうした現状にあっては、私たちの立場からすればありがたいことではありますが、場所が場所だけに、やはり先行きには一抹の不安が残ります。そういった意味で他の自治体も注目しているとか…。英断か、蛮行か、少なくとも私どもは、軌道に乗るように精一杯協力したいなと思っています。開館したら、絶対ゼミ生たちを連れていくと言いましたが、できればここで卒論を書く学生が出てきてほしいものです。また、「(仮称)厚木市郷土資料館」建設については、順次、お伝えしたいと思っております。
現在、今ある資料館では「縄文時代の厚木」展が開催されています。厚木は古代から現代まで豊かな歴史と自然のある街です。そうした「地域」の歴史と自然をどのように残して、将来に伝えていくのか。重い課題ではあります。それにしても縄文の土器や土偶といった遺物は、湧き上がるようなエネルギーがあって素敵ですね。