【史料学04】アーカイブ・ファイルボックスの試み


現在のところ、栃木県安蘇郡閑馬村(現佐野市)関係史料245点は、TRCCアーカイブ・ファイルボックス7箱に入れて、研究室の書棚に保管しています。ちょうど下記のような状態ですので、いずれはきちんとした史資料保存機関に寄贈をしたいと思っているのですが、引き受け手が問題ですね。

◎アーカイブ・ファイルボックスの四重構造

このアーカイブ・ファイルボックスは、これだけに史料を収納するのではなく、四重の構造となっています。(1)史料保存用封筒、(2)封筒用フォルダー(3)アーカイブ・ファイルボックス(4)アーカイブ・ファイルボックス収納箱の4つです。

そもそもこれらの史料保存用品は、古文書を収納するということを前提にしているのですが、その際に注意しなけばならないのは、和紙に墨書された古文書(典籍でもそうなのだが)の保管は本来、平積みを前提にしているということです。ただし、たとえ保存箱に入れたとしても、平積みのままでは保管のスペースや取り扱い(平積みでは下になったものが取り出しにくい)に問題があります。通常は、古文書用の封筒に入れた上で保存箱に収納する訳ですが、つまりは古文書の保存は、本来は平積みのものをどうやって縦置きで保存・管理していくかということが問題となります。古文書用封筒+保存箱でも中身が大きさが合わずに蓋が閉まりにくかったり、中の古文書がずれて入っていたりすることもよく経験したことです。そのために一定の量の古文書が入った封筒をひもで縛ったりするのですが、それもどうでしょうか?また、古文書が状物(一紙物)か竪帳か横帳かで封筒の大きさを分けたりしますが、それもどうでしょうか?古文書を保管する、あるいはもっと広い意味で史資料を恒久的に保管・保存・管理していくためには、もっともっと考えなければならないこと、考慮されなければならないことがあるのではないでしょうか。つまりは、保存のための思想があり、方法論があり、技術があるということです。

そうしたいくつかの疑問を整理して、TRCC東京修復保存センターの児島聡さんにぶつけて、考えてもらって、お互いに相談しながら採用したのが今回の史料保存システムでした。こうしたことは、研究者や一部署だけで解決できることではありません。そうしたノウハウをもった業者とよく相談をすることも大事なことだと思っています。理想を形にするためにはいろんな方法を試す必要があるのです。もちろん、これがベストという訳ではありません。それ相応の費用もかかります。ただ、今の時点で考えた一つの方法論であり、思想としてみていただければと思います。

次回は、この四重構造の一つ一つについて説明することにしましょう。

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