2007~2009年度プロジェクト
概要
プロジェクト名
「風聞集」にみるペリー来航から幕末維新期にかけての社会変動に関する研究と関係史料集の翻刻
メンバー
- 【プロジェクトリーダー・総括】
馬場 弘臣(教育研究所・准教授) - 【研究史の整理】
沓澤 宣賢(総合教育センター・教授) - 【史料の提供と管理】
村山 重治(付属図書館・課長) - 【史料の読解】
椿田 卓士(学園史資料センター・学園史編纂員) - 【史料の読解と編集】
目七 哲史(学園史資料センター・学園史編纂員) - 【史料の読解】
神谷 大介(横須賀市総務部総務課市史編さん担当)
研究内容・研究目的
付属図書館所蔵の古文書「風聞集」全5巻(請求記号/210.58/F/1~5)は、嘉永6年(1853)のペリー来航から慶応4年(1868)の新政府軍の東征にいたるまでのさまざまな歴史的事件と、その間の社会の動向について詳述された幕末維新期研究における第一級の史料である。とくに近年は、幕末維新期の変動を政治や経済などの側面でなく、広く社会全体の動向や当時の庶民の意識にまで踏み込んで明らかにしようとする研究が盛んになっている。「風聞集」はそうした研究の核となる史料であり、これらを読み解いていくことで、幕末維新期の社会変動に関する研究を進める。また、ただ史料を読んで研究を個別に進めるだけではなく、これらの史料を翻刻して刊行することで、研究の素材そのものを提供したいと考えている。
学術的意義
上記のように、「風聞集」全5巻は、幕末維新期研究における第一級の史料であるため、これを素材として研究を進めること自体、学問的意義は大きい。また、これらを翻刻し、幕末維新期の基礎史料として提供することで、研究の発展に資することも明らかである。それは一方で、付属図書館が所蔵する貴重資料を学術資料として積極的に活用するという意義をもつとともに、翻刻して活字化すれば、歴史系学部学科や大学院のテキストあるいは副読本といった形での教育的活用も十分可能となる。
プロセス
《1年目》「風聞集」の第1巻目と第2巻目を解読・筆耕する。解読した原稿は順次ワープロ原稿化する。解読原稿を元に、史料の内容と意義、歴史的背景、研究史などについて共同の研究会を開催する。
《2年目》「風聞集」の第3~5巻目を解読・筆耕する。解読した原稿は順次ワープロ原稿化する。解読した原稿を元に、史料の内容と意義、歴史的背景、研究史などについて共同の研究会を開催する。
《3年目》解読した原稿をまとめ、校閲を加えて史料集として刊行する。ここまでの共同研究の成果は、解説として盛り込むようにする。
成果予定
- 本プロジェクトの研究対象となる付属図書館所蔵の「風聞集」全5巻(請求記号/210.58/F/1~5)を史料集として翻刻して刊行する。刊行にあたっては、史料の内容や意義、歴史的背景について詳述した解説をつける。
- 最終年度の2009年が横浜開港から150年目にあたることから、日本史研究室とも協力し、「横浜開港と神奈川県の地域社会」を対象としたシンポジウムを開催する。シンポジウムの開催にあたっては、横浜開港資料館をはじめ、横浜市歴史博物館や平塚市博物館など、神奈川県内の博物館や史資料館とも連係して計画を進める。