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在郷商人のネットワーク by 相模国中央部

東洋大学白川部達夫先生から『越後宮川新田高橋家文書の研究 Ⅰ』が届きました。これは「井上円了記念助成 人間科学総合研究所共同研究2017年度報告書」とありますように、東洋大学の創立者である井上円了記念助成で行なわれた、新潟の地主高橋家文書の調査・整理・研究の成果です。今回の報告書は、豪農研究の一環として、研究者に声をかけて研究報告を行なってもらい、それをまとめたものでした。私も昨年の6月17日(土)に報告させていただきました。報告のタイトルはそのままに「相模国における在郷商人とその地域的ネットワーク-伊勢原村加藤宗兵衛と大磯宿川崎孫右衛門を中心に-」というものです。

兵農分離の上に成り立っている近世社会では、商人は城下町などの「都市」に集住していますが、村落部に在住しながら商業活動を行なう者を在郷商人あるいは在方商人などと称します。豪農は近世後期に地主経営の他に、こうした商業経営や金融経営、そして商品作物の生産に従事するなど、多角的な経営を行なった者達のことを言います。とはいえ、それも地域によっては、地主的性格が大きかったり、商業的側面が強かったりするのですが、相模国中央部、今の厚木市、伊勢原市、秦野市、平塚市、大磯町といった地域に存在するこうした人物達のさまざまな性格を検討しながら、そのネットワークについて考察したものです。相模川と酒匂川に囲まれた相模平野と台地部分の村々ですね。とくに中心となる伊勢原村の加藤宗兵衛と大磯宿の川崎孫右衛門は、在郷商人的な側面が強かったので、「在郷商人のネットワーク」としました。これらの在郷商人達は、姻戚関係にあるとともに、その経営の立て直しのために、二宮金次郎の報徳仕法を導入していきます。そうした関係を概観したものです。

報告書ということもあって抑えてはいますが、ほぼ論文の気持ちでまとめています。ま、その気になったら?!カットした部分を含めてまとめ直したいなと思っています。せっかくですから、このファイルをアップしておきますので、興味のある方はご一読ください。村落史から地域史への広がりというのは、なかなかおもしろいものですよ(^^)

「相模国における在郷商人とその地域的ネットワーク」=zaigousyounin no network

 

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投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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