大学院は出たけれど…。大学教員ではあるけれど…。

ここのところ大学の非常勤講師の苦境がさまざまなメディアで伝えられています。大学院は出ても、専任になれず、いくつかの非常勤講師を掛け持ちしながら暮らしていく研究者。2018年度には、いわゆる派遣切りの問題にも直面し、高学歴ワーキングプアが社会問題になっています。かたや大学教員になっても、⒙歳人口の現象、大学改革等による雑務の急増によって教員の疲弊が顕著になっています。1991年の大学設置基準の大綱化に始まり、大学院重点化政策、とくに課程博士の導入、国立大学の法人化等々、現在は、これら2010年代にかけての文科省を主導とした大学改革の1つの結果が出てきている時期とも言えるでしょう。歴史的転換期として語られるのは間違いないと思います。ここではこうしたニュースのいくつかを集めてみました。ご高覧いただければと思います。

52歳大学非常勤講師「年収200万円」の不条理 正規の「専任教員」との給与格差は5倍だ 東洋経済ONLINE

首都圏のある駅前のロータリー。ススムさん(52歳、仮名)は待ち合わせ場所に旅行用のキャリーバッグを引いて現れた。中には、自身が執筆した書籍などおよそ20冊が入っている。非常勤講師として大学の教壇に立つこと20年。この間の「実績」を知ってもらうために持参したという。

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https://toyokeizai.net/articles/-/203378

40歳非常勤講師、「夫婦とも雇い止め」の深刻 学校側の行為は「無期転換逃れ」の疑いがある 東洋経済ONLINE

昨年10月末のことだった。大学構内にある非常勤講師の控室。フランス語の授業を終えたヒロキさん(40歳、仮名)が、いつものようにコーヒーを飲みながら一息ついていたとき、顔見知りの中国語講師から突然、こう言われたという。「さっき新しいフランス語の先生が大学の中を案内されているのを見かけたんだけど。大丈夫なの?」

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https://toyokeizai.net/articles/amp/220027?display=b&amp_event=read-body

【貧困女子】「夏休みは収入0円」院卒講師が作る深夜の冷やし中華、高卒男子に罵倒される“プライド高め”人生~その1~ livedoorNEWS

女性誌『Suits WOMAN』で注目を集めた「貧困女子」。これは普通の毎日を送っていたはずが、気がつけば“貧困”と言われる状態になってしまった女性たちのエピソードです。今回、お話を伺ったのは、秋川裕子さん(仮名・39歳)。都心にある私立大学の文学部を卒業した後、大学院に進学。専攻はフランス文学で、将来を嘱望されていたといいます。

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http://news.livedoor.com/article/detail/15045084/

【貧困女子】「夏休みは収入0円」院卒講師が作る深夜の冷やし中華、高卒男子に罵倒される“プライド高め”人生~その2~ livedoorNEWS

数年前までは普通の生活をしていたのに、気が付けば貧困と言われる状況になってしまった女性たち。

秋川裕子さん(仮名・39歳)は、都内の私立大学文学部の大学院を卒業。その後、高校のフランス語の非常勤講師になるも、現在の年収は全体で200万円を切ることもあるといいます。

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https://suits-woman.jp/kenjitsunews/83306/

 

生活苦にさらされる米大学の非常勤教員 CNN.com

(CNN) 米ペンシルベニア州で先月、83歳の女性が貧困のうちに病死した。地元紙ピッツバーグ・ポストガゼットによれば、女性の困窮ぶりを知りったケースワーカーは、その職業を聞いて驚愕(きょうがく)したという。「大学教授だったんですか?」教授とは言っても、亡くなったマーガレット・メアリー・ボイトコさんは地元デュケーン大学の非常勤教授だった。

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https://www.cnn.co.jp/amp/article/35038247.html?__twitter_impression=true

 

<疲弊する大学教員>(上)現状 教育も運営も、過剰な負担 中日新聞Web

国立大の独立行政法人化などを機に大学教員の仕事が増え、過労で心身を損なう人がいる。多くは裁量労働制で、働き方は自身にゆだねられ、大学側も労働実態を正確に把握できていない。少子化対策や大学改革に伴い業務は増える一方の今、問題を二回で考える。まずは国立大教員の現状から。

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http://www.chunichi.co.jp/article/feature/koukousei/list/CK2018090202000007.html

<疲弊する大学教員>(下)原因と対策 学生確保で業務雪だるま 中日新聞Web

多くの大学教員が業務に忙殺され過労に陥っている問題。今回は私立大の状況を紹介し、多忙化に拍車がかかる最近の背景と、対策について考える。「春からオープンキャンパス、秋からは入試業務にも駆り出され、週末の休みがつぶれていく。週十こまの授業があり、平日の代休も取れない」。愛知県内の私立大に勤める四十代の理系の教授は、苦笑いしながらつぶやいた。

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http://www.chunichi.co.jp/article/feature/koukousei/list/CK2018091602000008.html

 

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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