『幕末風聞集 増補改訂版』が販売開始になりました!

お知らせ
『幕末風聞集 増補改訂版』が販売開始になりました!

またまたのお知らせで恐縮ですが、本日、7月10日からつい『幕末風聞集 増補改訂版』の販売が開始されました!野の花出版社の記念すべき第1弾です。同時に「合同会社オフィス野の花」の最初に仕事になります。

7日に予約開始になりましたとこのサイトとTwitter、Facebookでお知らせしたところ、いろんな方から予約しましたという連絡を受けまして、本当に嬉しい限りです。何せ史料集ですから、一般の方にはなかなかなじみにくいと思います。でも、興味のある方にはぜひ購入して、史料を読む練習にしていただければと思います。そう、日本近世史で幕末維新を研究したいと思う学生諸君!よろしくお願いいたします!まずは返り点を打ちながら読む練習をしましょう!

『幕末風聞集』は、くり返しになりますが、嘉永6年(1853)のペリー来航を契機として、伊勢国松坂周辺(現・三重県松阪市)の商人によって書かれたと推測されるものです。ペリー来航の記事はもちろん、元治元年(1864)の甲子戦争(禁門の変)に天誅組の乱、慶応2年(1866)の第二次長州征伐、同4年(1868)の鳥羽・伏見の戦いから江戸城開城までの記事がとくに詳しいです。

そこで今日は、制作秘話を…というほどの話ではありませんが、この史料集はすべてワープロソフトの一太郎を使って作成しています。組版も含めて、一太郎ですべて作っています。こちらが一太郎を使った古文書の筆写要項です。

なかなか細かい規定だとは思いますが、これは活字で文字を組んでいた時代からのルールをワープロソフト用に援用したものです。この件については、以前にも書きましたので、そちらの方をご覧いただければと思います。これを応用したワープロソフト用の具体的な筆写方法について書いています。

基本的なことを言えば、文字のポイント数(大きさ)と同じだけ行間を空け、その行間に肩書き等を入れます。それも肩書の右側は少し開けて、左側にぴったりとくっつくように調整します。また、場合によっては行間を詰める必要があります。それは表のようにミリ単位で決めていくことになります。私はB5判の2段組で文字の大きさは10ポイントで書くようにしていますから、すべてそれに合わせた調整です。もし、9ポイントにするならばすべての数字を変えなければなりません。

でも、一太郎を使って、これをマスターできれば誰でもきれいな形で組めるようになります。恐らくWordではもっと手間がかかるか、もしくは出来ないのではないかと思います。ちなみにこれらの処理は1回1回やるのではなく、キーボードマクロを使って一発で処理できるようにしていますので、意外に時間はかかりません。ここでは、『幕末風聞集』の組版をいくつか紹介しましょう。

こちらは本書の1ページ目です。「阿蘭陀国ヨリ告密書」つまりオランダ国王からの開国を勧める書簡を和訳したものです。

こちらは、第二次調長州征討関係の史料で、広島からの来た書状を書き抜いています。このような人名に関する複雑な情報も割ときれいに組むことができます。

のこちらは「長州庵蕎麦の引札」という史料です。引札というのはいわゆる広告ですね。長州藩毛利家を蕎麦屋のお品書きになぞらえた風刺です。こんな蒲鉾みたいなお品書きも組めてしまうのですね。

このように長年にわたる技術の粋を集めて?!翻刻した史料集です。お求めいただけたら幸いです。改めてよろしくお願い申し上げますm(_ _)m

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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