3月10日に書いた「iPhone12Proで古文書を撮影する!」が、twitterで結構、反響をいただきました。ついでに楽天のショップを見にいったら、リングライトの撮影機材が売り切れ、3月下旬の入荷とのこと。あれ、みなさん、私の記事で買ってくださったのかしら?んな訳はないですよね(^^;)
さて、せっかく反響をいただきましたので、追加事項と修正を加えてちょっとまとめてみます。
こちらが紹介した器材でしたね。
(1)丸い土台の重さが足りないので、少し不安定です。水平にカメラを取り付けたいのであれば、1番下から4分の1あたりで、iPhoneの1倍がちょうどA3に長あまるくらいであれば、目一杯水平に伸ばしても大丈夫です。それでも不安定であれば、後になにか重しを載せた方がよいです。
(2)A3を基準にすれば、光学の望遠と広角でほぼ収まるように撮影することができます。どなたかがiPhoneのレンズはこういう用途にこそ合っているかも知れないと仰っていましたが、確かに一眼レフでピントを合わせるより、ただシャッターを押すだけでピントが合っていますから、凄いですね。どうしても合わないときにはいつも通り、ディスプレイをちょんと押して合わせれば充分です。
(3)カメラは横のスイッチの下くらいにつけるとOKです。ディスプレイを見ながら古文書の撮影ができます。何よりフレーミングが簡単にできるのがよいですね。
(4)カメラは必ず横向きで撮影できるようにしてください。ほおっておくと縦向きになってしまいますから。なお、この前の写真は機材側に向けてシャッターを押しましたが、考えて見れば正対しているのですから、何も逆に向ける必要はなかったですね(^^;)おかげでみんな逆に写っていました。
これでよかったのでした!
(5)リングライトは、昼光色、昼白色電球色の3色があって、それぞれ10段階に光量を調整することができます。昼光色が1番自然かなと思います。
(6)ここでは黒いマットを敷いていますが、印刷した際に黒を消費するし、古文書自体が白っぽくなります。どうやら古文書に近い薄い茶系がいいようです。
(7)このままでも手軽にシャッターが押せますが、せっかくですからリモートシャッターを使うとさらに便利になります。
だいたいこういったところでしょうか?
写真をダウンロードしてまとめる
ここで撮影している古文書は、寺子屋の手習手本だと思われるものです。私が所蔵する伊豆国田方郡土手和田村(現・静岡県伊豆の国市)文書の中の一冊です。手習手本ですから、草書を続けて書くというよりも、1文字1文字のくずしを確認しながら書かれていますから、御家流(尊円流)の近世文字を勉強するにはよい教材だと思います。
写真を撮って、iCloudで表示させたのが次の写真です。
これを必要なだけ選んで、右上にある雲から下に矢印が出ているアイコンをクリックするとZipファイルとしてまとめてダウンロードしてくれます。
こんな感じですね。好きなフォルダーにダウンロードして解凍すればOKです。
ダウンロードして解凍したらせっかくですから、PDFファイルにすると扱いが便利です。ただ、私のPDF作成ファイルであるジャストシステムのJUSTPDF4はまとめてPDFにはしてくれませんので、ゼロックスのドキュワークス7を使ってまとめるようにしています。やり方は簡単です。変換したい写真を選んで、そのまままとめてドキュワークスの「DocuWorks Desk」に引っぱってきて(ドラッグして)話すだけです。そうしますと変換の画面が出てきます。
上の写真がドラッグしてきて話した直後、下の写真がどのような形で変換するのか、縦置きか横置きか画質の質などを指定するところです。A4横で印刷できるように作成したいのですが、そうすると画像が少し小さいので、A4いっぱいになるように150%を指定しました。
後はここで「束ねる」を選べば、1つのファイルにしてくれます。ただ、なぜか束ねた後は1ページ目が最後のページに行ってしまいますから、1ページ目に戻すというちょっと面倒な作業がありますが…。
なお、ドキュワークスはすでに10くらいになっていますが、値段が上がった割には使いづらいので、今でも旧版を使っています(^^)
この後、ドキュワークスの印刷機能でPDFを選ぶ(実際にはJUSTPDF4の印刷機能を使っているのですが…)とPDFファイルのできあがりです。せっかくですから、「しおり」機能をつかって特定のページを選んで「しおり」をつけるとその場所に飛んでいけるので凄く便利です。そうなればいくつもの古文書を一つのファイルにして、古文書の単位ごとに「しおり」をつければまとめて扱えて、便利になります。
とりあえず、こちらは手習手本にしおりをつけたところです。
「士農工商」は江戸時代の身分制度だとずっと言われてきましたが、実際には「武士・町人・百姓」が身分の中核で「士農工商」は職能身分もしくは職能による区分だというのが現在の見解です。とはいえ「士農工商」は江戸時代から使われてきた言葉で、ではどういう意味だったのでしょうか?
この古文書は文政11年(1828)に「松井邑 勝五郎」という人に借りて写したものですから、それがよくわかります。言い換えればその区別を寺子屋などの庶民教育の施設で教えていたというのも江戸時代の特徴ですね。
せっかくですから、このPDFファイルをアップしておきますので、興味のある方はダウンロードして読んでみてください。くり返しますが、御家流の書体を学ぶよい教材にもなりますよ~(^_^)v
手習手本のダウンロードURL
https://drive.google.com/file/d/1fItl617kOUJrf4Dd6H1ikYHGtNIJKQ0B/view?usp=sharing
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