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《緒形拳研究会》いざ!クラファイ!

先週の日曜日、14日にはまた、鎌倉大船の北條邸に行ってきました。今年の秋、そして来年の秋に予定されている展示館に向けて、必要な資金をどのように調達するか?今年の展示会は、10月14日(月)から11月30日(土)まで本学11号館付属図書館11号館展示室で、また、来年の展示会は、10月3日(土)から12月6日(日)まで横浜市歴史博物館で開催する予定です。もちろん、そのための費用はそれぞれの期間で出してくれます。ただ、これらの展示会は、いっぽうで「戦後大衆文化の基礎的研究」という、本学文明研究所のプロジェクト研究の成果を問うものです。その第1弾として今、「緒形拳アーカイブズ」の構築を図っています。

みな勘違いしているというか、新しい言葉で聞き心地がいいものだから、最近はよく「アーカイブ」もしくは「アーカイブズ」という言葉が使われていますが、本来アーカイブズは、その機関なり、部署なり、家、もしくは個人に関するさまざまな資料の総体を意味する言葉です。だから、台本だけを集めても、これは本来、台本ライブラリーであって、台本アーカイブズではないはずです。アーカイブというのならば、その台本が生まれてくる関係資料の総体を収集・整理・公開されていかなければならないのだと思います。つまり、特定のものをコレクションしていくのは、ミュージアムもしくはそれが書籍などの文献であればライブラリーの仕事の筈です。劇作家北條秀司先生の関係資料を整理していったのも、そうした試みからでした。

そして今回は、俳優が遺した資料の総体を収集・整理することが第1の目的。だから「緒形拳アーカイブズ」なのです。だから、これはまだ誰も試みたことない研究だと思うのです。しかも緒形さんは、新国劇という劇団を出発点として、ようやく一般化していったテレビの草創期に関わり、そして映画でも大きな足跡を残されました。演劇、テレビ、映画、それぞれがどの時代にどのようにかかわっていったのか、もちろん、それぞれの作品も時代に大きな影響を受けていたことは確かです。逆にある作品が時代に影響を与えていったことも確かでしょう。演劇だけでもなく、テレビだけでもなく、ましてや映画だけでもなく、それぞれの分野で満遍なく活躍された緒形さんだからこそ、見えてくる視点があると思うのです!ま、残念ながら研究助成金はどこも断られましたが(^^;)

クラウドファンディングのリターンの一つとして、ここ鎌倉大船の北條邸で、食事をしながら、緒形さんの出演作品について語り合うサロンを予定しています。北條邸では緒形さんが足繁く通った想い出の地ですからね。

北條邸の庭畑

こちらは北條邸の庭で、今は畑になっています。ここで取れた野菜、つまりは鎌倉野菜を食べながら、語り合おうという会です。

北條邸

こちらは北條邸を眺める座敷です。右の額は、緒形さんの書で、正面には北條先生の著作が並んでいます。床の間の軸は、「狐と笛吹き」という北條作歌舞伎劇の看板画を軸に仕立てたものです。ちょっと窮屈ですが、ここには30人位は入れるだろうということです。演劇のメーキングビデオなんかも作成して上映したいと思っています。

北條邸の書斎

北條邸の書斎の入口です。演劇に関係する本が2万冊近くあります。もちろん、こちらもみていただきたいですね。何せ昭和7年(1932)に建ったという古い家で、それだけでも文化財ものです。

また詳しいことがわかりましたら、その都度報告しますね。

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投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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