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「吉岡家代々由緒書」 ひたすら細目録!

今日は5月5日なんですね。2020年5月5日…。何となく書いてみると数字の名旅が何となくいいですね。よもやこんな端午の節句を迎えるなんて、思いもしませんでしたが。昨年の今ごろは、歴史系アーティストさくらゆき(小栗さくらさん、北織さよさん)の史跡めぐりで横須賀を案内していたというのに。時の経つのは早いとか、そんな感慨なんか吹き飛びそうですが、前向きに行きたいですね。昨日「緊急事態宣言」が今月末まで延長されましたが、にかく手をキチン洗うこと、飛沫感染しないように人と人との距離を空けること、できるだけマスクをすることの3つをとにかく守るということで、ことさら「新生活様式」なんていわない方がよいように思います。あ、そう言えば、今日は珊瑚婚にあたるとかみさんが言っていました。やっぱり時のたつには早いものです(^^)

さて、5月の連休を過ぎると何だか慌ただしい気持ちになるのは、今年も変わらないようです。いよいよ11日から遠隔授業が始まります。昨日は、すべての担当科目の履修生たちに授業の要項とアンケートを送りました。卒論のゼミと近世史基礎演習の授業はオンラインでやろうと思いますが、現代教養科目の「人文科学における歴史学」はオンデマンドにしたいと思っていますので、まだこれからPowerPointに音声を吹き込まなければなりません。また、そうこうしている間にも時間は進みますから、秋に予定されている緒形拳さんの展覧会の準備も進めなくてはなりません。とくに冊子は責任重大。そう言えば原稿が1本残っていた(^^;)

そして何より、「吉岡家代々由緒書」の刊行準備を進めなければなりません。何分にも量が多くて、手が回りませんので、ただいま原文書校正を依頼しているということは先にも書いたかと思います。一応、5月末を〆切でお願いしています。私は3冊目の原文書校正をやっていて、これはもう終わりましたので、今はひたすら細目録を作成しています。

細目録を作成

入力しているのは、データベースソフトの「桐」です。えっ「桐」ってまだあったの?若い人は「そんなアプリがあるんですか?」と言われてしまいますが、はっきり言います。Excelなんかよりよっぽど使いやすいし、入力も早いし、その後の分析もしやすいですよー!ディスプレイの画面をちょっとみていただいたらわかるかと思いますが、これには年代コードが入るようになっています。詳しい理屈は省きますが、このコードを使うと、年月日 → 年月 → 年のみというようにきちんと並べてくれます。これは「年(和暦)」「月」「日」を記入すると自動的にそれぞれのコードが入るように設計しています。和暦を入れると自動的に西暦も入るようになっています。まぁ、「吉岡家代々由緒書」は、だいたい年月日順に並んでいますから、それほど必要はありませんけれどね。

この細目録は「吉岡家代々由緒書」の目次を兼ねています。こうした「記録」の類は、目次をどうするかが1番難しい。そこで今回は細目録を作成して、それを目次がわりにすることにしました。もちろん、すべての内容を入れるわけではありません。代々が勤めた役職をはじめ、政治、財政、社会情勢に関する重要な内容があれば、それぞれその内容を簡単に書き出すようにしています。とはいえ、寛永19年(1642)から明治5年(1872)まで230年におよぶ記録です。大事だと思う項目だけでも結構な量になりました。編纂をしたのが7代目信之で幕末最後の当主8代目信徳が書き継いでいますから、当然のことながら、時代が下るほど、項目の量が増えています。慶応4年を迎えたところで、ついに500件を数えました。

500件!

実はこれ、小田原市史の編纂を担当していた時代に文久の初めまで作成していましたから、書き継いでいるだけなのです。それでも結構な量になりました。

あ、先ほど、年月日を訳記入していると書きましたが、このデータベースの表をよくみると、年月日に括弧で西暦が入った項目と年月日のみが1つの項目になっているのがおわかりになるかと思います。これには関数が入っていて、先のように別々に年月日を入れると、こうして合体できるようにシステムを組んでいるのです。よくデータベースだといって、Excelなどで年月日をはじめから1つのセルに入れている場合がありますが、それは愚の骨頂です。分けて入れてくれていれば後からなんとでもできます。逆に一つになったセルの項目を分けることの方がたいへんです。昔、伊豆韮山の江川文庫の史料整理を手伝ったとき、Excelを使っているのはまぁいいとしても、一つのセルに年月日を入れた形で目録を作成していてがっかりしたことがありました。桐とExcelは相性がいいので、相互にやり取りできますが、さすがに一つにセルに書き込まれた年月日を分けるのは面倒なのですね。せめて編年順に並んでいればもっと目録も使いやすくなるんですけれどね。

あれ、本論とは関係のない話が長くなってしまいました…(^^;)本日はこの辺で。

投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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