講演会と講演録

今日のつぶやき
講演会と講演録

おかげさまでというか、残念ながらというか、昨年は新型コロナウイルスの影響もあって、ほとんど講演会はありませんでした。もっとも、緒形拳さんの展覧会のために他の依頼は断るようにと、横浜市歴史博物館の井上副館長からきつ~くいわれていましたので、そもそも制限がありました(^^;)結局、展覧会のための講演と4回の展示説明会だけでしたね。本来、展示説明会は会場を回りながら説明するのですが、これまた新型コロナウイルスの影響で、行動で40~50分説明をするというスタイルに変わりました。

それでせっかくだから、12月5日(土)の講演会「大衆文化史と緒形拳-俳優アーカイブの可能性-」を講演録として、本学文明研究所の紀要『文明』に載せる予定です。企画冊子『戦後大衆文化史の軌跡-緒形拳とその時代-』でだいたいのことは書いているのですが、せっかくだから、新たな図表、本来なら会場に展示しようかと思っていたものを含めてお話ししましたので、その方向で書いております。まぁ付け加えですが…。例えばこんな表です。

緒形さんの授業歴を一覧表にしたものです。せっかくだからと略年表も書いてして収録したら8頁にもなってしまいました。

講演をやるときにはPowerPointのスライドとレジュメを用意します。よくPowerPointを印刷して配っていることがありますが、それは基本的にやりません。その方がPowerPointの内容を理解するのは良いでしょうが、そもそもレジュメとPowerPointのスライドは別物だと思っています。とくに歴史学の場合は、史料で説明することが多く、また内容をあまりスライドに書きすぎてもどうかと思うのです。

また、講演で話す内容については、だいたい3通りの方法でやっています。1番詳しいは、話す内容をそのまま文章にしてレジュメとして配ることです。それこそ「こんにちは、東海大学の馬場と申します」から始まって「ご清聴ありがとうございました」まで全部文章に滲ます。これは青木美智男さんがやっていらっしゃった方法で、「そうすれば話を聞き逃したとしてももう一度うちで確認できるだろう」と仰っていました。そこで何度か試していますが、とにかく時間がかかる…(^^;)90分話をするとして、平均的なペースは1分300文字と言われますから、27,000文字。原稿用紙にすれば67.5枚分になります。もう1本の論文ですね(^^;)もっとも、途中図の説明とか入りますから、実質はもう少し絞りますが。

第2の方法は、PowerPointのノート機能を使って、スライドごとにしゃべりたい内容をまとめておくことです。この場合、話したい内容をメモとして入力していきます。なお、PowerPointを使ったオンデマンド授業では、実際に話をする内容をそのまま書き込むこともあります。

第3の方法は、レジュメやPowerPointを印刷して、必要な事項をそこに書き込むことです。PowerPointはその際、A4用紙1枚に6枚のスライドを印刷します。それに赤ペンなどでメモを書き込んでおくというだけです。

今回は4回展示説明会をやっていましたから、第3の方法でいいだろうということでそうしてみました。講演録については、ICレコーダーに録音して、テープ起こしをお願いしました。そうしたまぁ~何ということでしょう。ケバ取りと言って「あ~」とか「え~と」といった無用の言葉は先に削ってあるのに、文字に起こすとどうにも文意が通りにくい話をしている。話が飛ぶのはもちろんのこと、話の途中に違う話が入っていたり…こんなひどい話をしていたのかと唖然となりました。たまに講演録を載せたいからといって後から成形したものを送ってくださって、それを校正して返すだけというは結構ありましたが、自分でやってみるとこれはひどいと(^^;)

しかも私、「実は」とくり返す癖があるのは覚えがありましたが、やたら「ちょっと」という言葉を使っているのですね。「ちょっとちょっと」って双子の芸人ザ・タッチか!というほどに…。

「実は」という言葉は、実は歴史系の話では結構皆さん使っていらっしゃいますが、ちょっとには自覚がなかったですね。気をつけたいと思います。

講演録は3月末には刊行される予定です。

 

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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