史料管理学演習 いよいよ実践!

今日のつぶやき
史料管理学演習 いよいよ実践!

先日お知らせしましたように、ただいまウィンターセッション科目「史料管理学演習」の授業をやっております。昨日は2時限目から4時限目までぶっ通しで講義でした。自作のテキストをもとに「史料管理学」の理念と知識と技能について話をしました。まぁ~話をするだけですので、私が疲れます。当たり前ですね。

今年の履修生は12名でしたが、1名リタイアが出ましたので、11名です。本日はいよいよ史料整理の実践です。基本的には古文書の内容を史料カードに記入していく作業です。通称、「目録取り」と呼んでいる作業です。これも事前に記入方法について授業を行ないます。こちらが「史料カード」です。

基本的に「民間史料」の「近世文書」を整理するという前提に立った「史料カード」です。近現代になると、史料の形態も多様になります。ただ、民間史料、ここでは名主さんとか庄屋さんだった、いわゆる「旧家」を前提にしていますが、当然のことながら資料は江戸時代から明治・大正・昭和…と続いていきます。ただ、基本的には古文書学を援用した史料整理が基本となっていて、近世までの史料と近現代の史料とをどのように統一的に整理していくかということについては、まだまだ検討の余地があると思っています。

とりあえず、史料管理学演習ではこの史料カードを使って、江戸時代からの古文書を整理するというところからはじめます。

実際の授業では、史料整理についてのテキストを配布して、基本的な方法、注意点などについて説明しますが、なかなか短時間でマスターできるわけではありません。ここでは史料カードの記入方法について、基本的な事項を示しています。

本日はまず「帳簿」形式の史料を整理します。ここでは年代と表題と作成者、形態と数量を記入することが主な作業になります。こちらが作業風景です。

履修生が11人ですから、4人のグループ2組と3人のグループ1組に分け、4人のグループはそれぞれ2人1組とします。全部で5組ですね。それぞれに古文書を渡して、史料カードに書き込んでいきます。5組を一人で見るのはさすがにしんどいです(>_<)座っている暇はもちろんありません。そんな中粛々と作業は続いていきます。

「これはなんて読むの?」な~んて声が聞こえそうですね。辞書をひきひき頭を抱えながら記入している様子がわかっていただけるかなと思います。あ、ちゃんと学生たちには掲載許可を取っていますよ。

さすがにスラスラとは読まないのですが、同じような帳簿が続きますので、だんだんと何となくではありますが、文字がわかるようになっていきます。それでも些細なことで引っかかったり…。何にしても経験あるのみです。

こちらの組には、一紙ものの古文書を読ませてみました。養弟、この場合は義理の弟ということですが、仙蔵という弟について火付盗賊改からお尋ねがあった件について回答した届書です。やはりちょっと、というかかなり難しかったようです(^^;)まぁ~普通に古文書の授業を受けただけは無理ですよね。

明日は借用証文や質地証文などを読ませていきたいと思います。これも同じパターンの古文書を読むことで史料カードの書き方のコツを学ぶ方法です。

ついでながら、授業で配った「民間史料整理マニュアル」をPDFファイルにしましたのでアップしておきます。まぁ~独断と偏見による?!整理方法です。興味のある方はダウンロードしてご覧ください。ではまた、報告します!

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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