備前長船刀剣博物館

今日のつぶやき
備前長船刀剣博物館

岡山紀行2日目、まずは備前長船刀剣博物館へ。この旅のもう一つの目的でした。ここで刀鍛冶の安藤広康さんにお目にかかって、いろいろとお話を聞きたかったのです。博物館へはJR赤穂線で香登駅(かがとえき)まで行きます。播州赤穂行きとある列車に乗るのですが、それだけでテンションが上がりますね。あぁ~忠臣蔵!

さて、実際に香登駅に着いてみると…。

これがまた、本当に何にもない駅なんですよね(^^;)駅前ハイツというのが、本当に駅の真ん前にあって、それ以外は何もないのです。それでもちゃんと入出場用のタッチパネルがあるのが凄いです。博物館までは歩けないことはないですが(実際に帰りは歩きました)、予約を10時でとっていましたので、タクシーを呼びました。

博物館の中に入って予約を確認すると、入口の右側にある刀剣についても概要コーナにまず行きます。ここで刀剣製作に関する15分くらいの動画を上映しています。これを見ると製作の過程がよくわかって勉強になります。それからすぐに安藤さんのところに向かいます。恥ずかしながら、博物館に行って初めてわかったのですが、「刀剣の里」だけあって、ここでは刀身を作るところから、柄、鞘、飾り道具をなどを作る職人さんたちがいて、刀剣製作の全課程が見学できるようになっているのです。当日は他にも2人ほど職人さんがいらっしゃいました。

安藤さんと知り合ったのはTwitter上のことでした。刀鍛冶をなさっている方も何人かフォローさせてもらっていますが、安藤さんはよくリプライしてもらっていました。刀剣には備前(岡山)、山城(京都)、大和(奈良)、美濃(岐阜)、相州(鎌倉)が名刀の産地として知られていて、これを通称「五ケ伝」と称します。1番近いのはもちろん相州鎌倉ですが、ツテもありませんので、まずは1番遠くてもこうしたきちんとした博物館のある備前に行ってみたいと思ったのでした。

安藤さんはちょうど刀を研いでいらっしゃったところですが、いろいろと質問に答えていただきました。もちろん、備前長船刀剣博物館を訪ねたのは、時代劇の未来に関する展示会の準備のためです。ただ、私自身は刀剣に対する書籍などは集めたものの、まだまだ何も知らない状態ですから、とにかく専門家の方に話を伺おうと思った次第です。

こちらは安藤さんの許可を得て、撮影させていただいたものです。手にもっていらっしゃるのが、新しく作られた刀です。安藤さんには、刀剣作りの苦労などの実体験談はもちろんのこと、東京方面でどこに話を伺いに行ったらよいか等々有益な情報をいただきました。それにしても!です。先ほどビデオを見たばかりですから、玉鋼ひとつを打つにしても大勢の人がいて、たいへんですねと聞いたところ、あれはあくまでもビデオ用で、今は器械を使ってやっているのだそうです。つまり刀剣作りの工程をおひとりでやっていらっしゃるとのこと、それが1番の驚きでした。安藤さん、本当にありがとうございました。

お話を伺った後は、改めて博物館の展示を拝見しました。さまざまな刀剣が展示されていますが、今回はとくに、特別展として寺社に奉納された刀剣が取り上げられていました。ここは写真撮影ができるので、いくつか撮影してみました。刀身に光を受けて輝く姿はやはり美しく、それだけに怖い代物です。見入ってしまいますね。左下の3振りの刀剣のうち、一番下の太刀は1mを超える大きな物です。奉納された物とはいえ、これが実際振り回せるものなのかどうか、持ってみたいものですね。

右下の写真は、国宝に指定されている「山鳥毛(さんちょうもう、やまとりげ)」と称する刀剣の模造刀を構えたところです。山鳥毛を購入するために、クラウドファンディングで資金を募ったことでも知られています。もちろん、私も寄付をしました。こうして構えてみるとずしっとした重さがあります。また、模造刀とはいえ、名前の由来となった鳥の羽のような刃文が美しいですね。7月には一般公開されるとのこと、ぜひ実物を見に行きたいなと思っています。ただし、予約が必要なのはもちろんのこと、今は刀剣乱舞の大きな影響もあって刀剣がブームですから、じっくりとみることも難しいでしょう。と、安藤さんも仰っていました。

帰りは先ほども書きましたようにぷらぷら歩いて、途中で食事をして、香登駅から岡山駅へと戻りました。

こちらが赤穂から岡山へ向かう列車です。どうぞご覧ください。ということで続きます!

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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