翻刻余話 三種神器

今日のつぶやき
翻刻余話 三種神器

とりあえず本日も1日書斎に籠もって「吉岡由緒書」の翻刻作業です。さすがに腰が痛くなってきました。ちょっと高いお金を出していいイスを購入しておいたのですがね…。

昨日に続いて翻刻風景です。

こちらはパソコンの画面です。主ディスプレイはJAPANNEXTの40inch、副ディスプレイは、EIZOの24inchです。主ディスプレイには一太郎2023を縦書きで表示し、副ディスプレイにはDocuWorks7.2で「吉岡由緒書」の写真版を写しています。机の上には…

こんな風に「吉岡由緒書」をプリントアウトして冊子にしたものを見ながら、一太郎で編集した原稿を校正していきます。すでに原典校正は頼んでいましたので、誤読や読めない文字は少ないのですが、昨日も書きましたように、「の」が漢字だったり、ひらがなだったり、カタカナだったりといった区別がぐちゃぐちゃだったり、「也」が同じように漢字だったり、ひらがなだったりが区別されていないようです。これは私が一斉で置換してしまったのでしょうか?また、読点の位置が今一つちがうような…。そこらの修正がたいへんです。

さて、ここで翻刻をやっていく上で使っているのは、一太郎2023、DocuWorksそして桐Ver.10sです。私にとっては三種神器です。

ディスプレイは40inchですから、A4用紙が縦書きで表示できます。B5判の2段組ですが、何とかそのまま編集ができます。しかもWordと違って縦書きは右から左へとスクロールします。何より、おわかりいただけるでしょうか?1番右のページの上段の最後。1行の両側に文字を入れています。その文字も中心となる行の方がベタでくっついて、その前後の行は少し開けるようにしています。一太郎は行を0.1mm単位で調整できますし、インデント(文字下げ)も自由自在です。はっきり言ってWordではここまでやるのはたいへんです。しかもキーに機能を割り当てられますので、例えば均等割付や行詰めなども例えばコントロールキーとの組み合わせで、キーボードから手を放さずに一瞬でできます。これはキーボードマクロを使ってマクロを作成し、それをキーボードに割り当てているからです。返り点も一瞬です。

ただ、「吉岡由緒書」の冊子はA4判でそもそも古文書の文字が小さいので見づらい…。そこで活躍するのがDocuWorksです。

普通はPDFファイルを使うのでしょうが、これもまた使いづらい。ページをめくるのも最初や最後に行くのにも、何よりも拡大したり縮小したりして見るのも楽に表示できます。これはさっきの冊子をそのままデジタル化したものです。というよりも、これを打ち出したのがさっきの冊子です。

それからもう一つ…。

こちらは桐Ver.10sで「吉岡由緒書」の細目録を作成しているところです。これももちろん翻刻に添えて収録する予定です。何より印刷の精度が高いので、このまま一覧表形式で印刷用にPDF化して差し込めます。画面ではわかりづらいですが、年月日のコードを入れていますので、編年に並び替える菰できます。もっとも「吉岡由緒書」自体が編年体の史料ですから、それはあまり関係ないかも知れませんが。

いずれにしてもWord、Excel、PDFではなくて、ワープロソフト一太郎2023、データベースソフト桐Ver.10s、AcrobatなどのPDFファイル表示ソフトではなくてDocuWorksVer.7.2が私の三種神器です。実際これらになれたら、一般的な三種神器には戻れません。だけど今ではすこぶる超マイナーなソフトですから、一般には薦められません(^^;)でも、これがないととても史料集を作ろうとは、ましてや野の花出版社を立ち上げようとは思わなかったでしょう。

あ、それからもう一つ、辞書検索ソフトのDDWinというのがあります。

これらを駆使しながら作業を進めております。本日は40ページまで進みました。まだまだ牛歩です。とにかく頑張ります。

 

最後に、のんびりとしてほとんど動かない八之助君をお届けします。動かざることは一緒ですけれどね。

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

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