遅ればせながら緒形拳アーカイブ・カフェのご報告

お知らせ
遅ればせながら緒形拳アーカイブ・カフェのご報告

去る10月8日の土曜日、予定通り緒形拳アーカイブ・カフェを開催しました。参加費をいただいて開催する以上、何より目標通り「見て、触って、学んで」いただくことが重要になります。そのための準備は欠かせない…と言いたいところですが、実態は、秋学期まっただ中ということもあり、大学生も学部生も時間に制約があります。実際、そんな中で資料整理の準備とミニ展示室の準備でバタバタでした。

当日の参加者は7名です。参加者の皆さんをA.台本、B.写真、C緒。形さん宛のハガキの3つのグループに分け、資料目録を確認しながら、資料目録シールや資料番号シールをファイルに貼っていきます。

左上がA.台本班、右上がB.写真班、左下がC.ハガキ班で、右下は、休憩後のA.台本班です。休憩後は「自分が見たいものを自由に見てください」としましたところ、1番人気はやはり台本でした。しかも緒形さんの台本にはいろいろと書き込みがあって、皆さん本当に興味深く見ていらっしゃいました。2003年にTBSで放映された豊川悦司さん主演の「エ・アロール それがどうしたの」の台本を見ていらっしゃった方からは、線が引かれて書き込みがある部分は、緒形さんと豊川さんとの掛け合いの部分だと指摘されて、こちらがなるほどと思った次第です。

そんな中で、1番人気がなかったのはC.ハガキ班でした。八千草薫さんとか新珠三千代さん、三國連太郎さんなどの往年の名俳優はもとより、若くして亡くなられた夏目雅子さん、もちろん今でもご存命の皆さんからの年賀状など、私からみたらきらめく星の如く…と思ったのですが、皆さんは緒形さんが書かれた文字が見たいとのこと。なるほどそうか…と思った次第です。緒形さんが出されたハガキや手紙はもちろん宛先にあるわけですから、手もとに残っているのは書き損じのものとなります。それ以外にも緒形さんが書かれた原稿やメモの原本がありますから、そちらを整理したり、見てもらったりした方がよかったですね。次はそれも考えたいと思います。

ちなみにこちらがファイルに貼った資料目録シールと資料番号シールです。左上が資料目録シールになっています。「写真」で「新国劇」に分類したことを示し、演目は「新撰組」です。島田正吾さんが近藤勇を、緒形さんが土方歳三を演じていらっしゃいます。

あれ、これには年号がない?実は、この資料番号には秘密があって(というほど大げさなものではないですが)、PHはPHOTOの略でSは新国劇のことです。そして「19620600」の内、最初の4桁は西暦で、次の2桁が月、最後の2桁が日になっています。舞台は、それが始まった月までを番号としています。また、映画やテレビなどは公開日を番号にしています。舞台は何度も上演され、それがいつの舞台かわからないことが多いので、初演の年月を入れるようにしています。また、写真の場合はその舞台、映画、テレビに関する写真が複数ありますから、右下のシールのように枝番号をつけていきます。さらにこの番号は写真の裏に鉛筆で書くようにしています。

台本も書簡もほぼ同じ原理で整理しています。ただし、枝番をつけた番号シールを貼るのはほぼ写真だけです。他は目録シールで事足りますから。これらは資料が次々と追加されることと、展示会などで使った資料をもとに戻すために考えたものです。

さて、次は11月8日(土)の予定です。アンケートのご意見やこの反省を踏まえて、少しブラッシュアップしたいと思っています。ミニ展示会ももう少し工夫が必要かなと思っています。また、ひと月後にご報告いたします!

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

コメントを残す

コメントを残す

«
»
  • LINEで送る