江戸時代のイメージ

今日のつぶやき
江戸時代のイメージ

文理共通科目「江戸学と現代社会」のテキストができましたので、配布したのですが、3コマ分で350冊ほど…。これでは秋学期が思いやられます。

さて、先にこの授業では、質問カードを配って受講生の高校時代の履修科目や歴史への興味とともに、江戸時代のイメージについて聞いてみたと書きました。これもちょっとまとめてみましたので、報告します。なお、この結果については、授業でも話をしております。

授業の中でも話をしているのですが、江戸時代といえば、私が研究を始めた頃は、どちらかというと暗いイメージの方が多かったですね。農民は領主から年貢を搾り取られて苦しい生活を送っているという、いわゆる「貧農史観」が当たり前でした。武士の政治そのもの、いわゆる封建制度に関する批判も強く、そもそもアジア・太平洋戦争へ至る近代の戦争への道が、農村部における封建制の残滓、これを「封建遺制」というのですが、その閉鎖的な「ムラ体質(村落共同体)」批判と相まって当然克服すべき「負の遺産」と捉えられていたわけです。

これらが大きく変わったのは、やはり1980年代と言えるでしょうか。江戸時代の生活-とくにエコやリサイクル、共同性の再評価など、さまざまな面で江戸時代の見直しが進んできました。とりわけ文化的な側面には大きな評価が与えられるようになってきました。その頃から折に触れて学生の意見を聞いてきましたが、やはりマイナスイメージよりも現在はプラスイメージの方が断然大きくなってきました。少し手を加えてみますが、皆さんはこの図からどんなことを考えますか?

投稿者プロフィール

馬場 弘臣

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!

コメントを残す

コメントを残す

«
»
  • LINEで送る