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時代考証学会報告会 小林一茶像を考える― 劇作家北條秀司と俳優緒形拳 ―

今度の日曜日、18日には東京学芸大学教授の大石学先生が主催されている「時代考証学会」の報告会があります。学会ができてから10年が経ち、それを記念した論集を出すための準備報告です。私も2010年に刊行された『時代考証学ことはじめ』という本に、「演劇アーカイブズの可能性-劇作家北條秀司資料について-」という一文を載せております。また、2013年の時代考証学会第2回のサロンは本、学を会場として実施し、「劇作家北條秀司の作品群と資料群-アーカイブズの視点から-」というタイトルで発表させていただきました。さらに2015年の第1回談話会では、「演劇アーカイブズの意義と活用について-東海大学北條秀司文庫から-」というタイトルでお話しをさせていただきました。

これまでは劇作家北條秀司のアーカイブズ論が主だったのですが、ここで少し作品に踏み込んでみようかと思っています。北條先生は93年の生涯でおよそ218編にのぼる戯曲を書かれています。その最後に書かれた「信濃の一茶」を題材にしてみようかと思っています。北條先生は、たいへんマメな方で、自分の創作や演出、実際の公演の記録を逐一残されています。とくに公演の記録は、なんど再演されようとも1回ごとにチラシ、パンフレットはもとより、関係する写真や書簡類、メモ書きなどからなるスクラップを作成されていました。創作ノートもスクラップブックです。やはりメモ書きや構想表等々を最後にスクラップブックにされていました。ただ、残念ながら、これらは松竹の大谷図書館に寄贈されていて、なかなか見ることができないのですが、「信濃の一茶」に関しては、大船の自宅に残されていたのです。しかも関連資料が1箱分、別に保管してありました。生原稿や各種の台本、キャスト表や年表等々いろいろなものがバサッと!

しかも「信濃の一茶」は緒形拳さんを主役として書き下ろされたものです。作家は人にあてて戯曲を書くといいますが、北條先生はそれが顕著です。以前にも書きましたように、今、緒形拳さんの資料の調査・整理もやっていますので、創った側と演じた側との両面からみていったらおもしろいかなと…。なお、小林一茶に興味があるのは、青木美智男先生の一連の研究に注目していたからでもあります。ただ、あまりに資料があって、しかも整理されていませんので、やっぱりアーカイブに関するものにした方がよいかなぁ…とちょっと弱気になっています(^^;)でも、今回は作品に関するアーカイブズ論になります。頑張ります!

 

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投稿者プロフィール

馬場 弘臣東海大学教育開発研究センター教授
専門は日本近世史および大学史・教育史。
くわしくは、サイトの「馬場研究室へようこそ」まで!
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