〔史料整理04〕史料管理学演習にて(2)


史料管理学演習の授業で行なった土手和田村文書整理の続編です。前回は(1)保存箱作りと(2)史料の封筒詰めまで紹介しました。

(3)目録取り

さぁて、いよいよ史料の「目録取り」です。もっとていねいな言い方をすれば「史(資)料目録」の作成作業、平たく言えば史料に関するリスト作りですね。昨年の史料管理学演習でもちょっと紹介しましたが、これには以下のような「史料カード」を使って必要な情報を書き出していきます。

出所」はもちろん、「伊豆国田方郡土手和田村」で、「所蔵者」は史料をみる限りどうも「高田」という家の史料のようです。以下、「資料No.」はこの場合、「整理番号」のことを示しています。ここでもし、綴られていたり、括られている史料等があれば枝番号をつけていきます。その際に、必ず史料は1カード=1点の原則が成り立つようにします。もし、綴られた状態を崩さないのであれば、その旨を備考に書いて、カードは別に作成します。

そこで史料整理にあたって必要な情報ですが、基本的には(1)「年月日」、(2)史料の「表題」、(3)「内容」、(4)「差出人・作成者(発給者)」、(5)「請取人(受給者)」、(6)「形態」、(7)「数量」、(8)「備考」の8項目になります。これ以外にも階層構造や分類項目などを入れる場合もありますが、基本的にはこの8項目を堅持していけばよろしいのではないかと思います。もちろん、資料の内容や方法論によっては項目も変わってきますが…。とりあえず問題はそれぞれの項目に具体的にどのように書き込んでいくかです。いわゆる古文書であれば、崩し字が読めないと目録は取れません。また、的確に内容を把握する力が何より大切になります。適当にやっていたり、大事なポイントを外したり、トンチンカンな記述であれば目録として役に立たないことになります。要は、史料を読み取って情報を抽出し、記述できる技能が必要なわけですね。もちろん、これにはマニュアルを作って先に講義をします。とはいえ、すぐにできるものでもないので、今回はB箱の横帳の目録をとることにしました。みんな悪戦苦闘しながらも楽しそうにやっていましたよ。

今回の作業では、3つの班、2日間で合計92点の目録カードを記入しました。とくに2日目にはB箱の横帳が終了して、A箱の一紙ものに入っていきましたので、ちょっと時間がかかるようになりました。でも、そう、ゆっくりでいいのです。

(4)写真撮影

今回の史料管理学演習では、初めての試みとして史料の写真撮影をやってみました。もちろん、デジカメを使った写真撮影ですが、ここではCanonの一眼レフカメラEOS kiss  X5をノートパソコンにつないで撮影します。Canonの一眼レフにはパソコンとリンクできるソフトとコードがはじめからついていて重宝します。画面を見てトリミングをしながら、スペースキーでシャッターを切れるのですからね。詳しくは閑馬村文書を撮影した際にblogで紹介しましたので、ご参照下さい。ただし、撮影したファイルをPDFファイルにまとめる方法などについては説明していません。これらの史料をWebにアップしようとすれば、一眼レフで撮影した写真ではさすがにファイルのサイズが大きくなりすぎますので、小さくする必要があるのですが、これもまた説明はしないで、本当にお試し撮影だけでした。残念です。

(5)データ入力

またこれも今回の新たな試みとして、史料カードに書き取ったデータをExcelに入力する練習もやってみました。だいたいは史料カードの項目にあわせてセルを設定しますが、もちろん!年月日はそれぞれセルを分けています。こうすれば後からでも関数を使って年号コードを入れることができますからね。気持ちとしては、Excelより桐に直接データ入力したいところなのですが、何せ現段階ではマイナーすぎる手段ですから(^_^;)とりあえず、Excelの使い方の一事例にもなりますからね。ただし、ここでも年号コードの考え方や入力については説明しておりません。考えようによっては、これも受講生の人数が少ないからできることではありますが、何にしても時間が足りないですね。

こうして1日3時限で5日間の授業もあっという間に終わってしまいました。本当にあっという間です。今回はとにかく一通りのことを実践してみることにしましたので、ことさら時間が足りなかったですね。でも、おかげさまで受講生からは「もっとやってみたい」「続けたい」という声をいただきまして、ありがたい限りです。また夏の古文書合宿でもやってみようかなという気にはなっておりますが、果たしてできますやら…。2007年以来途絶えていますから…。

やはり今年も、授業でやったことをどうやって次に活かせばいいのか?ということが大きな課題として残ったのでした。

馬場弘臣 のプロフィール写真
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