京都大学文書館と大阪大学アーカイブズ


先のblogで福岡の実家に帰省していると書きましたが、17日に帰ってくると、18日と19日は、京都と大阪への出張でした。京都大学文書館大阪大学アーカイブへの、文字通りアーカイブズの旅です。京都大学では午後1時半に文書館教授の西山伸さんと百周年時計台記念館の前で待ち合わせて、同館の展示室を案内していただき、その後、文書館を案内していただきました。文書館は京都大学から少し離れた場所にある旧京都会館を改修した施設で、2013年1月に時計台記念館にあった事務所から移転しています。

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午後5時半近くまで、だいたい4時間近く滞在したでしょうか?それにしても西山さんには本当にお世話になりました。そしてそれはそれはもう刺激を受けまくった視察でした。文書館も収蔵庫が34室もあって、その規模には本当に驚きましたが、やはり何より驚いたのは、法人文書の移管と選別・保存に関するシステムでした。東海大学の学園史資料センターで採用している資料整理のあり方も根本から考え直さなきゃならないなと芯から考えています。それは2000年に文書館が開館してから10余年、京都大学百周年史の編纂から数えれば20余年におよぶ西山さんの苦労と研鑽の跡ですね。詳細はただいま報告書を作成中ですので、改めて報告できれば…いいのですが…。報告書をまとめているのは私ではなく、同道した徳原さんですし…(^_^;)

大阪大学アーカイブでは同准教授の菅真城さんを訪ねました。西山さんも菅さんも全国大学史資料協議会で知り合い、お世話になっています。大阪大学アーカイブズは、2013年度から法人資料を受け入れています。ただし、本格的な移管が稼働するのは2014年度からとのことでした。

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大阪大学アーカイブが本格的に稼働するのはまさにこれからということですが、それだけに京都大学文書館との対比でも興味深いものでした。これから始まるということだけではありません。法人文書の移管から選別のシステムなども異なっています。早い話、京都大学では保存年限の切れた法人文書を全部一括して移管し、評価・選別は文書館で行ないます。これに対して大阪大学では、アーカイブズにはすでに評価・選別された状態で移管されてきて、移管されたものは基本的に全部保存することになっています。どんなシステムがいいのか、それはやはり大学ごとの状況によって異なるのでしょう。でも、どんなシステムを採用しようと、アーカイブズだけではだめで、事務部署や学部・研究室などの部局がファイリングシステムをきちんと学んで、いわゆるレコード・マネジメントがしっかりできていて、アーカイブ・マネジメントと連携が取れなければ機能しないのだということだけは確認できました。それが私立大学ではなかなか難しいのですが…。いずれにしても箕面キャンパス(ここはもとは大阪外語大学のキャンパスでした。2007年に大阪大学となっています)の本部棟のほぼ3分の2ほどになるでしょうか。ここもまた再利用なのですが、やはり収蔵庫の量はすごくて、菅さんのお話しも本当に興味深く、勉強になりました。ただ、京都大学文書館はすでに法人文書の移管・選別・配架が終わった後でしたし、大阪大学アーカイブでは2014年度にはじめて移管されます。これはそうした状態をぜひ見学したいということで、いずれも夏が過ぎた頃に再訪したい旨をお伝えして後にしました。

なお、大阪大学アーカイブでは、法人文書以外の個人資料や刊行物、写真などは大学史資料としています。京都大学では個人資料に、刊行物、写真に分けています。東海大学の場合は、言わばこの「大学史資料」が中心になっています。これらの資料整理については、根本的には共通しているようです。

大阪大学では、午前中に箕面キャンパスのアーカイブズを訪ねた後、大阪大学総合博物館を訪ねました。菅さんには大阪モノレールの千里中央駅まで送っていただいて、柴原の駅まで行ったのですが…。菅さんには「駅から25分くらい歩くから」と言われていたのでそんなに遠いのかと思ったら、キャンパスは目の前で、でも、総合博物館はこのキャンパスの端にあって、確かに遠かった…(^_^;)

大阪大学の大学史の展示はこの総合博物館にあるのです。豊中キャンパスは、古くは和歌の歌枕にもなった待兼山にあって、1964(昭和39)年に7mにおよぶという巨大なワニの化石が発掘されたとか…。マチカネワニと呼ばれているそうです。大学史のほかは自然や科学に関する展示が主でしたね。

そんなこんなで本当に大いなる刺激を受けた2日間でした。そうそう京都大学文書館の西山さんも座談会に参加された『学校法人東海大学学園史資料センター10年のあゆみ』がもうすぐ刊行になります。ついでに『近代教育史叢書1 明治期の村落小学校関係資料—栃木県安蘇郡閑馬小学校—』『近代教育史叢書2 栃木県安蘇郡閑馬村・閑馬小学校関係資料目録(改訂版)』ももうすぐ刊行の予定です。できあがりましたら、また報告します。ご期待下さい!!

馬場弘臣 のプロフィール写真
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京都大学文書館と大阪大学アーカイブズ への4件のフィードバック

  1. TRCCやすだともこ のコメント:

    お久しぶりです。大阪大学アーカイブの投稿興味深く読みました。箕面にあるのですね。受け入れた資料はすべて保管するとのこと、馬場先生が史料学のファイルボックスで整理するとよさそうではとつい思っちゃいました。実は大阪外国語大学は私の母校なのです!箕面は4年間通いましたゆえに懐かしい。ぜひ、馬場先生から東海大でも採用しているスマートファイルボックスシステムを担当者にご紹介くださいませ。大阪大学でも使ってもらえたらうれしいです‼

    • 馬場弘臣 のプロフィール写真 馬場弘臣 のコメント:

      こんにちは、安田さん。いや、どうもどうもご無沙汰しております。お元気ですか?それにしても、安田さんが大阪外語大学のご出身だったとはびっくりいたしました。箕面はちょっと遠かったですが(^_^;)モノレールに乗れて、しかも途中で見た初めての太陽の塔にはちょっと感激しました。
      7月の末から8月にかけてまた大阪大学と京都大学に伺う予定ですから、話をしてみますね。

      • 安田智子 のコメント:

        はい、ボンジョルノのイタリア語でございます。ウチは兵庫ですが高校も池田なのでドップリ大阪でございます。(司馬遼太郎先生の母校も今や阪大の学部に、、、)太陽の塔は迫力あって大好きです。
        大学アーカイブにはスマートファイリングはピッタリで、馬場先生からお勧めいただければバッチリです。中性紙箱以外の選択肢を模索されているような担当者なら救世主ではないでしょうか。

        • 馬場弘臣 のプロフィール写真 馬場弘臣 のコメント:

          こんにちは〜いいお天気ですね。GWもはや後半です。安田さんはイタリア語ですか…。2度びっくりです。14年ほど前にピサ、フィレンツェ、ローマに行きましたが、すごく良かったですね。日本の歴史なんざまだまだ短いと感じたひとときでした。
          だからこそ、残していくことが如何に大事かということですね。今年も2月に史料管理学演習の授業をやってスマートファイルボックスを使わせていただきました。blogにUpしようと重いながら早、5月…。学生にも約束していますので、近々Upしようと思います。

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